製作:2014年イギリス
発売:竹書房
市場で働いているベックスとドーンは、いつか2人でオシャレなカフェを開きたいと夢見ていた。しかし、どこの銀行にも融資を断られる哀しい日々。そこに、ジェレミーという投資家を名乗る男が近づいて来る。なんと彼は1万ポンド融資してくれるという。夢がかなうと喜ぶドーンたちだったが、ジェレミーの正体は地獄の鬼畜闇金業者だった…
邦題だけでなく「リボルビング・ヘル」だとか「年利200%」だとか「衝撃の実話」とかジャケに色々書いてあるのでこれはさぞかし借金の恐ろしさを見せつけて金融リテラシーを高めてくれるマネー映画なんだろうなあと期待して鑑賞したんですが、驚くべきことに主役の2人は別に借金してませんでした。
借金してませんでした。
これじゃ「バッド・ローン? 借りてないおばさんたち」じゃないですか。
一応、カフェを開こうとしてるおばさんたちは表面上は優し気だった鬼畜闇金業者ジェレミーに1万ポンドほど「融資を受ける寸前」までは行くんですよ。
しかし、返済についての話に及んだ時、突如本性を現したジェレミーが「返済は月1000ポンドを40回払いね」とか言い出します。小学生か。1万ポンド融資で返済額が4万ポンド。これにはおばさんコンビも「は?じゃあいらねーし」と呆れ返り、中指をおっ立てて帰ります。どうでもいいけどこのおばさんコンビの下品さは特筆に値します。チ〇カス野郎だのチ〇コ野郎だのタマ野郎だの言いたい放題です。
まあとにかくこのおばさんコンビ、普通に1ポンドも借りてないんです。闇金の恐ろしさを描くのであれば、そこは何やかんやで緩い条件のように見せかけて実は後から利子が膨らんでいくような巧みな契約で貸し付けるのが普通かと思うんですが、いきなりご無体な条件を出したせいで普通に断られて終わり。なんて正直な闇金業者なんだ…
ところが、ハゲジェレミーと用心棒のハゲマッチョのサイコハゲ2人組は、金を貸していないにも関わらず「手数料を出せ」とか「不快な思いをした」とか難癖をつけて支払いを迫り、暴力をふるいまくります。これって取り立てですらなくて単なるカツアゲじゃないですかね。そういうサイコハゲに付きまとわれる恐怖はあるかもしれませんが、サイコハゲの職業を闇金業者にした意味が特に何も無いっていう。証拠を撮影して警察に駆け込めばいいだけな気がしますが、おばさん方は何だかんだしません。
ちなみにそのサイコハゲ共はカネに関して難癖をつけるのが専門というわけですらなく、小学生の娘をビンタした同級生の家に押しかけて両親をボコったりもしているので本当に単なる無法者のハゲでしかない。いずれ捕まるか返り討ちになるかしかないし、実際凶暴極まりないおばさん2人組にぶち殺されてしまいます。本作の見所はそこぐらいです。スプラッター度がわりと高いし。
ということで色々と粗雑な作品だったんですが特に気になったのが、
↑彼氏とバイクで移動するベックスを黒のアウディで尾行しているサイコハゲたち。しかし…
↑ベックスがバイクから降りて彼氏が去ろうとすると、なぜかアウディからエンブレムがとれています。いや…なんで? ボロくて撮影中に落っこちたの?