世界は滅びる
突如出現したワームホールに呑まれ
別の惑星系にワープしてしまった地球
2つの太陽が輝く異空間で
滅亡の危機を迎えた人類を救う最後の手段とは?
突如出現した“第2の太陽”が、地球を呑みこむ!
SFパニックの金字塔“アルマゲドン”、待望のシン・シリーズ始動!!
(ニューセレクトHPより)
シン・シリーズって何だ?
「シン・ゴジラ」と「シン・ジョーズ」のことか?
と思ったけど「アルマゲドン」の新シリーズってことかな…
まあ、もちろんその宣伝文句も虚構なんですけどね。
アルマゲドンはシリーズ化などされていません。
いませんが、個人的には「アルマゲドン2008」とか「アルマゲドン2009」は本家より好きですね。…あれ?2007だったかな?
本作もその辺に並ぶようなクオリティがあるといいんですが。
本作は地球そのものがワームホールによって2つの恒星系を行ったり来たりするという
凄まじくスケールの大きなSFパニック映画です。
そんなことしたら人類など即消滅するでしょうが、細かいことを気にしてはいけません。
そのワームホールの開いた原因というのが、
主人公コリンの開発した燃料電池を使用したわけのわからん実験であり、
この燃料電池が地球の命運を握るキーアイテムとなります。
でも燃料電池ってただのエネルギー源でしかないと思うんですが、
一体どんな実験をしてそうなったのかは一切説明されません。
単に燃料電池って言われても…トヨタのミライとかに積んであるやつとどう違うの?
ワームホールに地球ごと吸い込まれて…
太陽が2つ、月が7つある恒星系へとワープした地球。
コリンが目覚めるまで1年間もこの状態。
よくもまあ人類生存可能な気温をキープできる距離の公転軌道に乗れたものです。
しかし一応、人類は滅亡に近い状態まで衰退し、メタンガスの結晶が降って来たり
「Eクラウド」というおもしろ殺人電気雲の襲撃に怯えながら廃ビルの中で細々と暮らす羽目に陥っています。
この廃ビル、やけに既視感があると思ったらたぶん「
インデペンデンスデイ2017」と同じセットでした。
でもCGの出来は悪くないしスペクタクルな災害シーンもけっこう多めに見られるのでわりと満足感はあります。
「Eクラウド」は自然現象のはずなのに、人間めがけて襲ってくるわ
建物の中までピンポイントに侵入してくるわでもはやただの殺人モンスター状態。
どういう理屈でこんなモンスターが発生したのか?
は気にしないものとして、ディザスターパニックとモンスターパニックのおいしいとこ取り状態。整合性よりも娯楽性を優先するスタイルには好感が持てます。
私たちもうとっくに手遅れじゃないかな…
という感じの距離感ですが、一応まだセーフ…らしいよ。
コリンはなぜか別次元&別時間軸の自分と交信する能力を持っており、
別次元の過去の自分にあれこれ指示を出して燃料電池を手に入れようとします。
複数の次元と、時系列をもいじくって交差しまくる複雑怪奇な展開についていくので精一杯。
別次元の過去のコリンが燃料電池をロッカーに入れると、
こっち側のロッカーにも燃料電池が出現。
理屈はわからないが、気合で何とかしたのだと考えるしかありません。
何にせよ、この燃料電池で何か変な実験をすれば、
再びワームホールが現れてもとの太陽系、もとの公転軌道に戻れるのです。
全ては気合のなせる技だと考えましょう。
実験のジャマをするEクラウド。
ここまで来るとモンゴリアンデスワームの霊か何かに見えてきます。
実験成功。
もはや蒸発していなくてはおかしいぐらい恒星に近づいてますが、
あぶねーギリセーフだったわと言いたげにワームホールに吸い込まれていく地球。
もとの公転軌道に戻れるのは何でやとか細かいことはいいとして、
これで、ボロボロになって文明崩壊し、わずかに生き残った人類が
がんばって復興していこう…的なエンディングかと思いきや…
全く持って意味不明な終わり方になっていました。
まあ
「細かいことはいいんだよ」と言えるような人でなければ
本作を最後まで鑑賞することは
絶対不可能なので、
この変なラストにも目をつぶることにしましょう。
総評としては、豪快で珍奇で難解なストーリーを乱雑なSF描写で突っ走る、
ある意味「アルマゲドンシリーズ」にふさわしいB級珍作でした。
個人的には「アルマゲドン2008」の方が面白いと思いますが、本作もそう悪くはありません。
本家「アルマゲドン」よりはこっちの方が楽しいと思いますし、
細かいことが気にならない人なら充分いけるでしょう。そこそこおすすめです。