モンスターパニック映画の傑作だった前作から一転、
イマイチ心躍るポイントに欠ける駄作となってしまいました。
と言ってももちろんそんなことは予想の範疇なのですが、
問題はモンスターパニックから純度100%の単なるおバカコメディ映画へと
変貌してしまったことです。
続編なんだからジャンルごと変えるのはやめてほしいものです…
確かにピラニアは暴れているけどさあ…。
前作以上にストーリー性が皆無となっています。
エロ度もグロ度も前作より激しくガタ落ち。
にもかかわらず前作より激しく品性下劣に見えるのはどうしてでしょうか?
観るだけで知能指数が下がっていきそうな映画です。
エロはまだしも前作のような景気の良い人体破壊描写などほとんどなく、
何を楽しみに鑑賞すれば良いのか。
しいていえば、しょうもないブラックジョークだけは一応充実してましたかね。
主人公は一応存在しますがあまり意義があるとは言えません。
一人だけシリアスな雰囲気を持ってますが、本作の空気ではむしろノリが悪い邪魔な奴という印象すらあります。
それぐらい本作の配分はコメディ側に偏っています。
しかも、ピラニアを使ったお下劣コントを場当たり的につなげてみた
という程度の展開しかないため、合わない人にはとことん合わない作りと言えるでしょう。
例をあげると、ピラニアの幼魚が女の子の股間に入り込み、
それに気づかずいざ事に及ぼうとしたら
彼氏のチ〇コに喰らいついちゃってさあ大変、
切り落とす羽目になったじゃないかどうしてくれるんだ!みたいな具合。
考えてみるとここが一番エグイシーンだったかもしれません。
いざ排水溝からピラニアが殺到してきて、プールが地獄絵図と化すクライマックスでも、
もう恐怖を煽る気など一切なくて、ひたすらお笑いに走ります。
前作で死んだと思われた黒人保安官がチタン製義足で暴れたり、
なぜか本人役で出ているデビッド・ハッセルホフが微妙にハッスルしたり、
子供に金を握らせた後に轢き殺すオーナーの死に方とか、
全くつまらないとまでは言いませんがクスリと笑える程度で
前作ほどの笑いの爆発力はありません。
モンスターパニックで笑いを狙うにしても、
シリアスの皮はかぶっておく必要があると思います。
この人が何のために出てきて何をやらせたいんだか全然わかりません。
冷静に考えると、前作でやるべきことは全てやり尽くしてしまったが故に
単純にパワーアップさせることも出来ず、かと言って劣化コピーをするには
シンプルすぎて苦しい。
ということでコメディ寄りにしてみたはいいが面白くなりそうにないので
ハッセルホフとかをぶち込んでむりやりノリだけで乗り切ろうとした、
という感じですかね。
NG集やら変なナンセンス映像集みたいのが詰め込まれたスタッフロールから
そんな雰囲気がにじみ出ています。
これを観るくらいならその分前作を繰り返し鑑賞することをオススメします。