「マンイーター」
人喰い映画マニアにとって、何と聞こえの良い邦題か!
まあ原題は「ROGUE」なんですけどね。
私は人が捕食者に喰われる場面は当然大好きなのですが、
その中でも特に、捕食者が獲物を死骸だらけの巣穴などに持ち帰って
ゆっくりムシャムシャするようなシーンが最高にワクワクします。
主人公がうっかりその巣に入り込んでしまい、怯え隠れて観察するシチュエーションなど非常に興奮しますね。本作もストレートな邦題を名乗るだけあってそんな理想的な状況がクライマックスに配置されており私にとっては大満足の良作でした。
本作はオーストラリアのカカドゥ国立公園を舞台にした人喰いワニ映画です。
やはりワニと言えばオーストラリアなんですね。
つくづく危ない国だと思います。
しかし景色は実に素晴らしい。
なんか最近同じようなことばかり書いてるような気がしますが
本作もまたオーストラリアの雄大な自然を存分に味わわせてくれる観光映画でもあります。
題材が人喰いワニなので実際に行きたくなるかどうかは人によるでしょうけど。
そんな大自然の奥地に観光客を乗せたボートが不用意に入り込んでしまったもんだから、
規格外の超巨大イリエワニの縄張りを知らずに侵してしまい、
ボートをワニに破壊され中州に取り残されてしまう。
というのが大体のストーリーです。
本作もまたワニと人間との生存競争にのみ焦点を当てた作品なので
人間ドラマ的なものはいさぎよく何もありません。
登場人物にはちゃんとそれぞれ個性があったのにほとんど何も活用しないというもったいなさ。
特にあのヘビースモーカーの太ったオバサンはインパクトあったのに何もしなかったなあ…。
主人公は地元の川下りツアーガイドのケイトと
旅行ライターのピートという人物で、一緒に遭難する観光客(餌)は10人くらい。
この手の人喰い映画としては結構人数は多い方です。
しかも主役の2人以外は大概クソ野郎・クズ女ばかりが大声で自己主張します。
オーストラリアの奥地で遭難したという極限状況において、
自分勝手で利己的で無能、足を引っ張りまくる奴らが多くて、
見ていてイライラすること間違いなし。
「おまえら早く喰われてしまえ!」
と誰もが念じることでしょう。
これはもう10m超級のイリエワニさんによる豪華大晩餐会に期待が高まりまくり。
…なんですが、そういう点で見ると
案外喰われる人数が少ないんですよね。せいぜい半分くらいかな?
なんでもっとバクバク喰わせないのか私には理解不能です。
生き残るのは主役の2人だけで充分なのに。
しかしながら冒頭でも書いた通り、
巨大イリエワニが獲物を巣穴に持って行き、主人公がそれを助けに行く
という素晴らしいクライマックスがあります。
この「ヤバイところに入っちまった」感がたまらない。
眠っているワニを尻目に、何度も振り返りながらそっと脱出しようと試みるくだりも大変スリリングで良いです。
ただどうしても突っ込まざるを得ないのが
あれだけ噛まれたのに何でまだ生きてんの?というね。
誰がどう見てもオカシイだろと。
ワニは女性に優しい習性でもあるのか?
それともあの女もまたドルフ・ラングレン並みの強靭な肉体を持っているのか?
という「
ブラック・ウォーター」と全く同じ轍を踏んでしまっています。
つーかさすがにこのワニに噛まれたらラングレンでも死にそう。
とはいえ、この巣穴で繰り広げられる熱い大激闘は過剰なほど見ごたえたっぷりでして、こんな良いものを見せてもらえたのなら、その程度の突っ込みどころには目をつぶってあげたくなりました。
今のところワニ映画の中ではこれが一番面白かったと思います。
喰われる人数少な目とはいえ、一番ムカツク人物はしっかり豪快にブン投げてから喰ったりとツボは押さえてあります。
客観的に見てもかなり良作。残酷シーンが少な目なのは微妙ですがそれゆえに間口の広い一作なので誰にでも安心してオススメ出来ますね。
(愛犬家の方だけは観ない方がいいかもしれませんが)
1. 無題
は、いったいなんだったんでしょうか?あれが大量殺戮の元凶なのに!
あの太ったオバサンは、ウエンズワース女子刑務所にアルコール依存症の囚人
役で出てました、同じ酒飲み役で、、最後まで迫力ありました、大満足のサメ映画でした。
師匠!ありがとうございます!
Re:無題
これ観たのが1年以上前なので細かいところは全く覚えてないんですが、救難信号出した先客は助けに行った時にはもう喰われて誰もいなくなってたってことなんじゃないでしょうか。多分。
しかしあの太ったおばさんを他所でも見かけていたとは、なかなかの守備範囲ですね。
ところでこれ、サメ映画じゃなくてワニ映画ですよ。きのこの山とたけのこの里ぐらい似て非なるものですから、お間違え無きよう…