ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ヘイヴンハースト 感想  微妙かつ不快




うーん、これはなかなか不快な映画でした。
ジュリー・ベンツさんが好きという人なら観てもいいです。が、そうでないならば
「今日はちょっと不快な気分になりたいなあ!」という鬱系好きな人以外は手に取るべきでは
ないかもしれません。
手堅いといえば手堅いけどやっぱり雑な部分がけっこう目につくし、まあ「ザ・B級ホラー」って感じですね。


B級ホラーのオープニングってまず犠牲者が出るところから入りますよね。
のちにそこへ主人公がやってくるというパターンが定番。
この映画の場合、舞台は「殺人マンション」です。
それも大都会のど真ん中にある巨大なマンション。いやアパートなのかな?
違いがよくわかりませんが麻薬中毒者やアル中患者が更生後に紹介される場所という設定。
そのせいか、ここの住人は何やら「規則」を破ると「退去勧告」を出され、ブチ殺されてしまうという話のようです。
規則はともかく、退去勧告には素直に従って出て行こうとしても出してもらえず虐殺されるという理不尽さ。
どっちにしても殺すなら退去勧告出す意味って何でしょうかね。


オープニングで犠牲となった夫婦の友人だったジャッキーという中年女性が主役です。
彼女がこのヘイブンハーストという名の殺人マンションに越してきます。しかもその消えた友人の部屋に。
ここ、古臭いといえば古臭し薄暗いんですが、めちゃくちゃ高級感があります。部屋も広いし立地も良さそうだし普通に住んだら家賃が高そう。
更生施設?とはいえ大した収入のなさそうなジャッキーが一人で住めることにちょっと疑問を感じますが、家主さんも趣味でやってるので利益などどうでもいいのでしょうか。


で、オープニングに続いて第二の犠牲者が速攻で出てきます。
部屋で売春行為を働いた金髪ビッチさんが退去勧告を出されてしまうのですが、何でバレるかというと部屋の隅に監視カメラがあるせいでした。
でもこれはちょっとおかしい…
あんなわかりやすい監視カメラに皆気づかないとかどうかしてますよ。
別に隠してあるわけでも何でもないですからね。丸出しです。
ほんで退去勧告にしたがって金髪ビッチさんが荷物をまとめていると、まあまあ良い感じにキモ怖い殺人鬼が出現。やたらドッタンバッタン放り投げられたあげく落とし穴に落とされます。
このマンションは抜け穴や隠し通路などのギミックが満載の様子。
殺人鬼は色んなところから出入りできるうえにドアの開け閉めも自由自在です。
…似たようなギミックを使った殺人ホテルをやってたH・H・ホームズを思い出すなあ。などと思っていたら、堂々とロビーに彼の写真が貼ってありました。
誰も気づかんものかなこれ?


あんまりドタバタするもんだから近くの部屋にいたジャッキーが不審がります。
悲鳴までダダ漏れなので当然です。
他の住人が無反応なのは何なのか。
しかし誰も通報はせず、ジャッキーは友人の刑事にプライベートでちょっと調べてよと頼むだけで終わり。
無縁社会というやつですね。


そんで次はある夫婦のうちの夫の方だけがなんか唐突に規則を破り、ベッドにまで仕掛けられたギミックで地下に落とされました。
さらに、何もしてない妻の方まで落とされたあげく、2人とも大変ザンコクな目に遭わされてしまいます。
一人でも規則を破るとその世帯丸ごとアウトなのか?
ここはかなりスプラッター度が高いので苦手な人は要注意です。
しかし、下半身を切断されて臓物丸出しなのに生きて苦しんでるのが
何だか不自然で個人的にはかえってシラケました。薬物でも使ったら…いやでも失血がね。
妻の方は硫酸っぽいものをかけられてましたが、最初は何をかけてるんだかわからなかったし恐怖の煽り方がちょっと下手に感じます。
ただこの殺人鬼につかまるとここまでひどいことされちゃうよお~ということがわかったので、その後のスリルは若干増したかもしれません。


それにしても、やたら短期間にハイペースでサクサク殺してるように見えますが
ジャッキー以外の人が誰も怪しまないのが実に不自然です。
家族とか勤め先の人間は警察に届けないのか?
ここを紹介している更生団体は何とも思わないのか?
他にも、すぐに空き部屋だらけになるのではないか?
遺留品の処分はどうしているのか?
等々疑問が噴出。
これは現代の怪談ということで細かいことには突っ込まないで見た方がいいのか?
と思っても中途半端に警察が絡んできてサスペンス要素が捨てきれていません。

そしてジャッキーはこのマンションの造りが怪しいという手がかりをつかみ、
それを刑事に託します。それはいいんです。
が、なぜかその調査結果を待てずに、託した直後にすぐ自分で規則を破り、わざと退去宣告を受けます。
ここら辺、なんでそんなにせっかちに事を運ぼうとするのか全然わかりません。
マンションの構造をのんびり調べるより、自分が直接狙われた方が早いぜ!と
いう思考はヴァンダムとかラングレンがやることであって、
ジャッキーは細くて非力、落ち着きのある中年女性なのでそんな血気盛んなキャラには全く見えません。
急がなければいけない理由もないし。


あとは当然、様式美的に殺人鬼との追っかけっこ&バトルになりますが
クライマックスとかオチのネタバレはしないでおきます。
が、結構不愉快というかむかつくというかフラストレーションはたまる感じの内容ですので
そういうのが好き!という人以外には本当におすすめしかねますね。
そこそこ悪くないクオリティのホラー映画ではあるんですけどねえ。

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岩石入道
性別:
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自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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