製作:2018年アメリカ
発売:アルバトロス
配給:ムービープラス
シャークネードハンターのフィン・シェパードが世界各地でサメ台風と幾多の激闘を繰り広げた末、サメの神が降臨し世界は滅亡した。家族や仲間を失い悲嘆にくれていたフィンの前に成長した未来の息子ギルが現れ、タイムマシンで世界を救う時間旅行へと旅立つ。そして先史時代へと到着したフィンを待っていたのは、死んだはずの仲間たちだった。彼らは歴史を変え、世界を再構成することができるのか。
シリーズ最終作にしてまさかの4DXでの劇場公開となった
「サメ映画界の絶対王者」最新作。と言ってもそんな酔狂なことしてるのは多分日本だけで、中身はsyfyチャンネルのテレビ映画です。
4DXは座席数が少ないし、さぞかし満員御礼状態に違いねえ!さっさと座席とグッズを確保しておかねば!!と気合を入れまくって朝の9時前から劇場へと車を飛ばしてまいりました。
混んでたらアレだし、端っこの座席にしておこう!
さて、どんだけ盛り上がっているのかな!?
…と思ったら、
誰もいない!!?盛り上がっているのは自分1人だけだと!!!?
そんな馬鹿な!!
チケット買う時「現時点ではこの辺が空いてますよ~」って係員言ってたのに!
この辺どころか全部空いてるじゃねえか!
きっと入場が早すぎたんだ、そうに違いない…
と自分に言い聞かせて待ち続けること10分、やっぱり誰も来ぬ!!
不安になって2回も係員に確認しちゃいましたよ…。
まあその後4人だけ入ってきましたけどね。日曜日なのに4人とな。なんという少数精鋭。
サメ映画ファンって私が思ってるよりずっと少ないんでしょうか?
↑もちろん鑑賞前に物販でシャークネードTシャツを確保。
3500円也。Mサイズ一枚しか無かった。もっと入荷した方が良いのではないか。
しかしこの手のTシャツを買っても普段着にしていいものかどうか悩むところです。
いやこれを着て練り歩くこと自体に抵抗はありませんが、汚して洗濯して劣化させるのが心苦しいのです。
↑シャツだけ買うつもりだったが意外と実用性がありそうなトートバッグも確保。1500円也。
なんというオシャレなデザイン。これでスーパーで買い物する時にビニール袋をもらう必要がなくなりました。
まあそれはそれとして本編の話ですが、もう無茶苦茶でした。
カオスに次ぐカオスの権化としか言いようがない。前作も前々作もそうだったけどさらにぶっとび具合がインフレに次ぐインフレにより難解なSF映画と化していき、最終的にはもはや深遠なる哲学の領域に到達。
人生とは何か?サメとは何なのか?奇抜なネタで攻めてきただけのシンプルなクソサメ映画だった第一作目を思い返すと、本当に遠くまで来たなあ…というか、どうしてこうなった!?というか。
前作のラストで世界が滅び、タイムマシンでドルフ・ラングレンが颯爽と助けに来てフィンと共にタイムスリップしたわけですが、そこから始まる本作にドルフ・ラングレンは出演していません。
先史時代に到着したタイムマシンにはいつの間にかフィン1人だけになっており、
「時間旅行は複雑なんだ」の一言でラングレンはログアウト。現実は悲しい。
しかし本作にケチを付けられるとすれば、そこだけです。
今回はタイムスリップを繰り返して様々な時代でシャークネードと戦うという大筋。これは前作で世界各地をワープして転戦していったノリに近いものがあり、冒頭の先史時代以外は特にそれほどパワーアップした感もなくいつも通りのシャークネードです。
ただ今回は4DXなだけに座席がブルブルガタガタ揺れまくり、水や風をドバドバ吹き付けられ、音量もくそでかいだけに迫力が凄まじい。プテラノドンに乗ってシャークネード1号に突入する序盤の見せ場のなんと豪勢なことか! まるで巨大ピザの上に青いケーキを乗っけて食い散らかしてるような気分。超高カロリー、フロンティアスピリット全開です。4DX効果のおかげでCGはテレビ映画クオリティのはずなのに全くそうは見えません。
しかし、そんな分かりやすい粗暴で野蛮で明るいアメリカンな雰囲気も中盤で一転。
ラストだからということなのか、大変しんみりした人間ドラマを展開し始めます。ダルイといえばダルイが、それなりに涙腺を刺激されないこともない。しかし毎回思うけどノヴァはちょっとウザイですな。スカイもウザイが…。やはり正ヒロインはエイプリルしかいないのか。しかしタラ・リードも普通に見れば厚化粧のおばさんでしかないのでアップで映りまくるとちょっとキツイ。
後半になると難解なSFの領域へと突入。
とっ散らかったストーリーをどうにかまとめるためにサメ映画だということを忘れてしまったんじゃないかとこちらを不安にさせてくるほどにカオス。アクセル全開すぎて付いていくのが精いっぱいで笑えるのかどうかも分からなくなってきます。しかし何だか分からんがとにかく凄い。そして全然まとめにつながりそうになかった。
そしてクライマックス、モハメド・アリが蝶のように舞い蜂のように刺すあたりはもうこのシリーズの集大成と呼んで差し支えない名シーン。サメ台風のスーパーパワーに時と場所を超越し人類史全てが巻き込まれごちゃ混ぜになりフィン・シェパードは世界を救う。サメ台風の中で回転しながらサメにくわえられたロボエイプリルの生首とフィンのキスシーンがモハメド・アリに彩られ…絵面のインパクトがいくらなんでもスゴすぎた。なんでモハメド・アリなの。そして至高のクソサメ映画が見せる最終到達点が新たな未来を切り開く。
何だかよく分かりませんがそんなような感じでした。
「物凄いモノを観てしまった…」としか言いようがない。
夢のように楽しい86分でした。なんで4人しか来なかったんだ…
そして肉眼では捉えきれない超高速スタッフロール。なんでそんな速いの。
本作は
人類史に残る超絶的名作と言っても全く過言ではありませんが、正直これほど難解な芸術作品を観たのは初めてのことなので内容を100%理解できたとは到底言い難い。ここは来月発売のDVDを購入して…いや、「シャークネード6」単品のDVDではなく
「シャークネード 完全捕食パクパクパック」という素晴らしく語呂の良いシリーズ全作入りDVDボックスを購入して(過去作全部持ってるけど)
シリーズ全作見直そうかと思います。
本作に興味を持った人はさっさと観に行くが良いでしょう。こんな怪物級テレビ映画を劇場で観られる機会など今回を逃せばもう二度とありませんからね。
私は今後数年間はシャークネードロスに苦しむことになりそうです。
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