「ベルリンに集まったアメリカ出身のデニスを含む4人の若者。彼らの目的はベルリン地下にあるといわれる旧ドイツ軍のバンカーを探し探検すること。現地ガイドの案内に従って、地下に向かった彼らは突然の事故でガイドを失ってしまう。しかも助けを求め2つに分かれてから互いを見失ってしまう。旧東ドイツの軍人だったという彼について行った所で目にしたものとは!?」
(amazon説明文)
たま~にドイツの映画を見ることがあるんですが、どれもこれも陰鬱な雰囲気が漂った暗~いものばかりなのは偶然でしょうか。
ちょっと前に「帰ってきたヒトラー」を観ましたが、これは一応コメディに分類される映画にも関わらず、やっぱり陰惨で暗い雰囲気でした。
明るく楽しいドイツ映画がもしあるんだったら誰か教えてください。
で、このドイツ製ホラー映画「アーバン・エクスプローラー」です。
ホラーなので暗いのは当然ですが、それにしても序盤の日常シーンからもう暗いです。
そこら辺はもうちっと能天気に描いてほしいもんですが…
とか何とか細かいこと言う以前に、この映画、かなりグロイ!そして痛い!
久々に勘弁してくれと言いたくなるような残酷シーンを見てしまいました。
昔からそうですが、最近ドイツホラー見てなかったんで忘れてました。
ドイツ人が猟奇的な映画を撮ると絶対に妥協しないということを…。
ドイツ人はなぜにそこまで気合を入れてエグいシーンを撮るのか…謎です。
その上、バカな奴がスッキリ殺られるのではなく、普通に良い奴が猛烈にむごい目に遭うのでとんでもなく胸糞悪いです。
ということでスプラッター慣れしてない人は見ない方が良いでしょう。
確実にトラウマになります。
逆に「この程度全然大したことないよ」という人がいたら、結構危ない傾向です。
ドイツへの移住をオススメします。
この映画、なんとなく「0時34分」に似ています。特に終盤。あれもちょっと病んでたなあ。
…あれイギリス映画だとばかり思ってたんですが今調べたら
「イギリス・ドイツ合作」でした。ドイツは本当にアレだなあ…
まあそれはともかく、地下で冒険を楽しんでいたら、そこにはサイコ殺人鬼が!
…というベタな流れです。
メンバーはガイドの男1人に男女カップル2人と女性同士のカップル(?)2人の
計5人です。国籍が全員バラバラなのでドイツ映画なのに英語で話してます。
あらすじにもある通り、ナチのバンカーを見ようと広大な地下トンネルに潜ったはいいがその奥深くでガイドが事故で負傷し昏倒してしまいます。
その上、女性同士のカップルは助けを求めに別行動で脱出しようと
早々に画面から消えてしまいます。
そうなるとこの映画の大部分はデニスとルシアのカップルがサイコキラーのおっさんと
やりあうシーンで占められることになります。
しかし、そうなると殺され役がほとんどいない!という事態が起こります。
と言っても怖くないわけではなく、来るぞ来るぞ…という恐怖演出はまあまあ良く出来ているため、ほとんど血が出なくてもそれなりに緊張感をもって見ていられます。
一見救いの手を差し伸べてきたかのように見えたサイコキラーのおっさんが出てきてからはそれが加速度的に増して行き、
ご飯を食べながらヤバげな昔話を聞くあたりからどんどん盛り上がってきて
悪意をむき出しにした時には頂点に達した、かのように感じるわけです。
この時点では「あれ?意外と上品なホラーじゃない?」とか不覚にも思っちゃったりしてました。
序盤からずっと静かに恐怖を煽りつつ、一見まともっぽい気がしないでもない人間を出してちょっとだけ希望をチラ見せしてからのサイコ野郎。
しかしそこはやはりドイツ製ホラー、あとはもう盛大にやらかしてくれます。
いやーしかしねえ…
あの殺し方はないですよ…
昔話するシーンで話してましたけどね…「シャツを脱がす」まさか本当にやるとは…
エグイにも程がありますよ…ドン引きしますよ…
何だかんだ勇猛果敢に戦って、感動的な会話シーンも結構あったりして、
それなりに感情移入させておいてアレですからね…
おまけに文字通り塩まで擦り込みやがりましたからね…
「よーし、観客を不快にさせてやるぜえ!」という作り手の意気込みを感じましたね。
不快なものを見たい、不快な気分になりたい、という人にオススメです。
ラストは1ミリぐらい?微妙に救いがあるんだか無いんだかよく分からん終わり方でしたが、
最後のシーンはなぜかサイコ野郎が電動ハブラシで歯磨きしてるシーンでした。
どういう意図があるんだよコレ…
まあ、色々尖がってましたが何だかんだ言って
「ちょっとキツめだけど特に中身はないありがちなホラー」
って感じなのでつまらなくはないがゴアシーン以外は記憶に残らない1作でした。