サメ映画好きを公言している私ですが、実はクモ映画も好きです。
クモ恐怖症なんで触るのは無理なんですけど、鑑賞するのは大好きなんですよ。
映画でなくてもドキュメンタリーでもいいし、ネットで画像見たりもします。
結局、「嫌なものを眺めるのが好き」っていう趣味なんです。
ホラー系の映画が好きなのもそんな性分のせいですね。
しかし、クモ映画ってサメ以上にアタリが無いジャンルなんですよね…
良かったのはせいぜい「アラクノフォビア」と「スパイダー・パニック」ぐらいなもので、
その2つもまあ良く言って佳作レベルなのでクモ映画には本当にロクなのがない
と断言していいでしょう。
でこの「ラプチャー~破裂~」ですが、アマゾンの説明ではこうあります。
「蜘蛛が嫌いなシングルマザーのレネーは突如、見知らぬ男達に拉致される。
謎の隔離施設で目覚めた彼女を待っていたのは、被験者に”生きている中で一番嫌いな物"を
与え続ける人体実験。実験を行っているのは、人の姿をしているが、まるで感情が読み取れない奇妙な者たち。
拘束され、動けない状態での執拗なまでの”蜘蛛攻め"の果て、
レネーの体は驚愕の変化を見せ始めるこの異様すぎる実験は一体、
誰が何のために行っているのか―?」
なんかもうこのあらすじだけで9割方ネタバレしてますねこれ。
しかも「誰が何のために」という部分が残り1割みたいなもんですが、
その辺はスゲエどうでもいい感じの映画でした。
まあ、それは予想通りではありましたがね。
主演はノオミ・ラパスさんですが、プロメテウスでとんでもなくヒドイ目にあってた
生存本能の強そうな女優さんという記憶しかないです。
この映画でもとんでもなくヒドイ目に遭う生存本能の強い役なので
この人はもうそんなイメージで固まってしまいました。
苦しむ演技と抵抗する演技は実に鬼気迫るものがあります。
こんなしょうもない映画がしっかり観られるものとして成立してるのは
この人のおかげと言っても過言ではないでしょう。
で、私もクモ恐怖症ですから、これはすごく感情移入して楽しめるんじゃないか!?
と思って観てみたんですが…
意外とクモ攻めシーンが少ないです…。これにはガッカリ。
「動けない状態での執拗なまでのクモ攻め」と言われても2回しかないんですよね。
それに1回目はタランチュラを腕に這わせるだけなのでまあ序の口かな?
って程度の軽い攻めです。
そりゃクモ恐怖症にはキツイですが、数分腕の上をウロチョロさせただけなので
くそ怪しい組織に拉致された割には大した実験ではありません。
ちなみにこの組織は「一番嫌いなものを与え続ける実験」によって「極限の恐怖」を
味わわせることでとある遺伝子を破裂させたいそうです。
「遺伝子が破裂」ってのはよく分からない表現ですが、
それが破裂することにどんな意味があるのかもよく分かりません。
なんかのメタファーかもしれませんが私にはちょっと読み取れませんでした。
多分「意味深に見せるだけで中身は特にない」ってパターンじゃないかと
思うんですがね。
2回目のクモ攻めはジャケットや予告編でも出てた通り
アクリル製?のヘルメットで頭部を覆われ、そこに小さいクモを
いっぱい入れられるという拷問です。
これは、そこそこキツイですね。目と口をしっかり閉じていれば…
と思っても鼻とか耳から侵入られたらたまったものではありません。
まあそこまで小さなクモではなかったようですが。
それにしてもこれだけで遺伝子からどうにかなっちゃうほどの極限の恐怖と言われても物足りないものがありますよ…
私はクモ恐怖症だからまだ少しは共感出来ますがそうじゃない人から見たら
え?そんなんで?って思うでしょうね。
この手の実験を何度も繰り返したっていう経過をダイジェストでもいいから
やってほしかったところですがあえなくこんな実験だけで
遺伝子が破裂しノオミ・ラパスさんはなんかよくわかんない事態になります。
ラストも意味不明でした。
これなら無事脱出して日常に戻れたというエンディングの方がどれほどいいことか…。
というわけでこの映画を「クモ映画」と言ってしまうのは若干抵抗があります。
それよりも拉致監禁されてからカッター1本で拘束を解き、
毒々しい照明で汚く怪しい研究施設を敵に見つからないように探索するあたりが
一番の見どころでしょうね。他の実験体も沢山おり蛇攻めにあってたり高所から落とされたりしてたり、謎を深めつつも脱走できそうでできない、この辺は相当エキサイティングでした。
ただ惜しむらくはこれが1回目のクモ攻めの後なので、
2回目があることはジャケや予告編から分かっていることだから
再度捕まってしまうのも分かってしまうことですね…
観る前はC級かなと思いましたが、映像や俳優の演技もしっかりしてて
クオリティは高い方ですし普通の映画好きにはオススメしがたいですが
変なものを見てみたいという私のような人種ならまあまあ楽しめるかと思います。