製作:2018年スペイン
発売:プライムウェーブ
2008年4月、あるコンビニで銃撃事件が発生。被害者の友人だった数学者のジョンは事件を探るうち、そのコンビニで過去に何度も銃撃事件が起こっていることを知る。さらに、起こる年数、関係者の年齢などにある法則があることを発見。
その法則は、次回10年後の4月12日に10歳の少年が撃たれることを示していた。
今月のプライムウェーブ枠。
プライムウェーブ配給作品と言えば…まあアレですが、本作は普通に…いや普通以上に楽しめる方のスペイン映画でした。オカルトかコケ脅しか、謎の法則性を持って繰り返し発生する銃撃事件という微妙なスケールの謎で攻めてくるSFサスペンスです。
ただし「なぜ銃撃事件が何度も同じ場所で起こるのか」という謎の根源については、投げっぱなしなのでそこに期待すると確実に肩透かしをくらいます。
そこが一番気になるところだろうが!とちょっと怒りたくなりましたが、そこは神か悪魔かの仕業とでも思っておくしかなさそうです。昔、大量殺人があって呪われている…みたいなことは一応言ってましたけども。一般的スペイン人はそれで腑に落ちるものなのか知りたいところです。
まあとにかく、あくまでこの銃撃事件にはどのような法則性があるのか?という謎解き、10年後の未来に起こる次の事件をどう防ぐのか?というサスペンスが主軸となっております。
事件の謎を追う数学者ジョン、そして未来の4月12日にそのコンビニへと、運命に操られているように吸い寄せられてしまう被害者(予定)の少年ニコ。この2つの筋が絡みながらそれぞれの4月12日へと向かっていく見せ方が良いです。
ジョンは同じ場所で数十年おきに事件が起きていることを知り、それがなぜか一定の法則に従っていると考察するわけですが、あまりにもオカルト的な現象すぎて力説すればするほど周囲にはキ印扱いされてしまいます。実によくある展開ですが、本作の場合本当にジョンは統合失調症を患っていて治療を受けている最中であるというのが厄介。まさか妄想オチで終わらせるのでは…という不安が常につきまといます。
一方イジメられっ子のニコは「4月12日にそのコンビニへ行ったら死ぬぞ」という手紙を受け取り、イジメの一環と勘違いされ何やかんや騒ぎになる…という話です。
そんなものを受け取ったにも関わらずやっぱりニコはコンビニへ行ってしまうわけですが、その流れはどえらく強引。あの母親なら止めるでしょ普通。引き寄せられる運命だったのだ…とか言われればそれまでですが。なぜ彼でなけばいけなかったのか分からないし。
↑行きたくもないコンビニへむりやり行かされ、しぶしぶゲーム雑誌を買おうとするニコ少年。
真ん中にあの見慣れた青いタヌキの姿があります。スペインでもメジャーな存在なんですね。そのすぐ上にはエロ本もあるし、なかなかカオスな書籍コーナーです。
こんな大仰な暗号じみた仕掛けを凝らさなくても、テロの発生場所を事前に知ってしまったジョンが巻き込まれそうになってる子供を助けようと奔走する…みたいな話でも同じことだったのでは? という気がしないでもなかった。
そういう身も蓋も無いことに目をつぶれば、クオリティは高いし結構楽しめると思います。今月の新作の中では一番オススメです。
1. たぬき…(・・?
極寒を越えられたようでなによりですo(^o^)o
もしかしてZ級映画のDVDを薪代わりに暖をとられたのかな?
Re:たぬき…(・・?
最近燃料になりそうなZ級映画には事欠きませんでしたからね。
北国に棲む人間の心を優しくキナ臭く暖めてくれるZ級映画の製作者と
配給会社さんには感謝してもしきれないのです。