製作:2017年アメリカ・スイス
発売:カルチュア・パブリッシャーズ
世界最大のロボット製造会社の社長エライアスが生み出した人工知能「クロノス」。それは地球をより良い方向へと導くために起動された。しかし、クロノスは人類こそが地球のガンであると即座に判定。一夜にして人類はほぼ滅亡した。
そして97年後、わずかに生き残った人間が目指す先とは…
最近落ち目っぽいジョン・キューザックがうっかり何らかの新興宗教にハマってしまい、その信者向けに作ったんじゃないかというような胡散臭さに満ち満ちた超低予算SF映画。
ものすごいありがちな設定ながらも、オープニングで人類を総攻撃するロボットたちの映像はそれなりに良く出来てました。なので、ちょっとだけ期待はしたんですが…そこで製作費を使い切っちゃった感じ。
結局は森の中で若いカップル2人がポエムを吟じながら徘徊しているシーンが全体の95%ぐらいを占めており、それをクロノス神のジョン・キューザックが眠そうな目で見つめているという、猛烈に虚脱感を催すフンワリ感。これを観て一体何を感じろというのか。「寝ててもいいよ」という製作者のメッセージすら感じ取れそうでしたよ。
↑人工知能が「人類こそ害悪の根源」とか判定して襲ってくるのは死ぬほど手垢まみれな話ですが、ロボットが襲ってくる映像そのものはそう悪くないんですよ。冒頭にちょろっとしかないけど。
以後そんな殺人ロボに見つからないように、人類最後の安全地帯と思われる「オーロラ」と呼ばれる地を目指すカップルの旅路が延々映し出されます。ちなみに男の方はクロノスの差し金で送り込まれたヒューマノイド型殺人ロボです。ネタバレくさいが公式の紹介文にもしっかりそう書いてあります。でも記憶喪失からそのまま愛に目覚めてしまうので全然殺人ロボっぽくない。
製作費がたったの10万ドルらしいから仕方ないとはいえ、本当に延々と森の中をウロウロしてばかりなのでかなりきちいです。
「でも わけがわからない」「やめろ 何のことだかわからない」クロノスと対話したり、頭の中で母と会話しては何が何だかわからんと言うヒューマノイド型殺人ロボ・アンドリュー。何の話だかわからんのは私の方です。別段難しいストーリーでもないはずだが、何のことだかわからない会話に意識が飛びます。頭がボンヤリするような茫洋としたBGMが終始流れているせいもあって、猛烈に眠たくなります。努力はしましたが、クライマックスで力尽き寝てしまいました。これはイカンと一時停止して仮眠をとってから改めて見直そうとしましたが、それでも寝ました。こんなのとても起きてられねー。謎の催眠効果が働いているとしか思えない。ということでクライマックス以降、ラスト15分間に何が起こったのか全く把握していません。できないものは仕方ない。そんなにも寝てほしいのなら諦めて大人しく寝る。
最後に、現代社会のストレスで夜も眠れなくて困っているような人であれば新作料金を出してでも本作を観てみるべきかと思います。