うーんこれは失敗した…
アマゾンの商品説明のところをチラ見したら
「要塞警察にオマージュを捧げる」とか「本家顔負けのガンアクション」「エンタメ性も抜群!」
みたいなことが書いてあったけどここまでガチの心霊ホラーとは思いませんでした。
確かに警察署で夜勤してたら襲われた系の話ではありますが要塞警察とは似ても似つかないでしょこれ…
まあ怖がらせる演出満載だからエンタメ性はバツグンかもしれませんが…
新人の婦人警官が、警察署の旧庁舎で最後の夜勤をしていたら、そこで心霊現象が…という話です。まあビックリオバケ屋敷映画なんでストーリーなんてどうでもいい感じですがね。一応幽霊との因縁とかありますがあまり意味がないように感じました。逆にこういうのって何の由来も理屈もない、通り魔的なわけのわからない幽霊の方が怖いんじゃないかなと思うんですがどうですかね。
今回はあまり深く考えずに選んだので気づかず観てしまいましたが、
心霊ホラーってあんまり好きじゃないんですよね。
なんでかっていうと、やっぱり心霊は何でもありになっちゃうし人間には勝ちようがないじゃないですか…。
人間は抵抗も出来ずにやりたい放題恐怖感を与えられて、最後には殺されてしまうっていうオチばっかりで何のカタルシスもない。
「リング」みたいに謎解き要素があって助かる方法も存在するならいいんですけどねえ。
あと心霊系に限らないけど、心霊系に特に多いのはシーンとした中でいきなり「ビギャアアア!」とグロイ幽霊を出してビビらせる場面ですね。これが実に嫌いです。そりゃいきなり変なモンと大きなSE出したらビックリするに決まってますよ。
でもこれは「恐怖」じゃなくて「吃驚」ですからね。そこら辺作り手も受け手も勘違いしてる人多いんじゃないかなあ…。
その点日本のホラーはわりと静かにジットリ攻めてくる系統のものが多いとは思います。
で、この映画もそんな日本のホラーにかなり大きな影響を受けていると見え、前半はなかなかジワジワと気味の悪い心霊現象で煽ってきます。
他にもホームレスが侵入してきて小便撒き散らしたりとかするんですが、
このホームレス、何か意味ありげなわりに特に何もなくて単なる脅かし+殺され役で実に拍子抜けでした。
それにしても納得いかない点がいくつかあります。
旧庁舎を捨てて新庁舎に移転する理由が「心霊現象が多発したから」だってのに
なんでそんなところに何も知らない新人一人で夜勤させるのか…
嫌がらせじゃないですかこれ。
というかこの婦警さん、初めは新人歓迎的な意味での嫌がらせだと勘違いしてます。
しかし、これはもはや嫌がらせレベルじゃないってぐらいの心霊現象が起きまくってるのに、
宿直をやめようとしないのには疑問を感じます。
閉じ込められてるわけじゃなくいつでも警察署を出ていけるのに、
「宿直も出来ないなら警察辞めろ」と言われただけで続行…
つか幽霊屋敷だって知ってるのにそんなこと言うのも実に理不尽です。
この婦警さん、申し訳程度にしか応援を呼ぼうとしないのもおかしいですね。ホームレス捕まえたんだし普通に来てもらうべきだと思うんですが。
あと怖いから車で待つことにしたって言ってたのになぜやめたんでしょ。
慎ましやかなのは前半だけで、後半はもうグロい血まみれゴーストがシャカシャカバンバン出てきます。まさにオバケ屋敷。銃とか構えちゃってますけど、幽霊に銃撃ったってしょうがないですからねえ…だから幽霊映画にはいまいちノレないんですが…
何が「本家顔負けのガンアクション」なんだか…。
終わり方は実に最悪ですね。嫌だなーこうなるんだろうなーこうなっちゃうんだろうなー、ああーやっぱりそう来ちゃうのか…というね…。
こういうオチ大嫌いなんですよマジで。
父親が殉職してるっていう設定に加えて、母親からの電話が実に嫌らしい。あれが無ければこのラストでもこんな嫌な気分にはならないんですが。
ホラー映画にはもっと純粋な恐怖を与えてほしいなあと思いますね。
驚きとか嫌悪感とか陰鬱さはあくまで彩りであって主役ではないですよね…
…とまあなんかボロクソ言ってしまっているようですが、これは私の好みではなかったのが大きいので…。客観的に見れば、不気味な中にビックリを散りばめたオバケ屋敷ホラー映画としてはなかなか出来は良いです。
呪怨とかが好きな人なら観ても損はないでしょう。