うむ、これはひどい。ひどすぎますな。
ジュラシックワールドのパチモンですが、こっちの方が少し先に世に出たようです。ジュラシックワールド制作中という情報を聞きつけて速攻で作ったと思われます。
この映画、会話がどれもこれも支離滅裂すぎて全体的に意味が分かりません。
なのでストーリーを解説することすら実に困難です。
一応、映画が始まると研究所っぽい施設から1匹の恐竜(ヴェロキラプトル?)が脱走し、
それをヒーローっぽいベテラン兵士がすごくかっこつけて倒し、妙に気合の入りまくったオープニングクレジットに入ります。
ここまではまだ普通のB級映画を期待できる雰囲気はありました。
ああ、この凄腕っぽいオッサンが主人公なんだろうなあと誰もが思うところですが、
コイツの出番はその後ほとんどありません。
でもラスト付近でまた主役オーラ全開で出てきます。
でも結局ほとんど何もしません。
一体何なんだよ…
この映画で一番良く出来ているであろうオープニングクレジットが終わると、
「私たちはオオカミよ!」などと言いながらぬるぬるレスリングパーティとかおっぱじめる
少女たちが出てきます。
…実質的な主役はこの頭のネジのゆるんだ少女たちです。
パーティが近所迷惑だからって警察に連行され、留置場に入れられますが
この映画の大半はこの留置場というか刑務所でのサバイバルとなります。
「ジュラシック・プリズン 恐竜地獄女囚大脱獄」
というタイトルの方がよっぽどしっくりくると思いますね。
…しかしまさか本作が「
シャーク・プリズン」より圧倒的につまらないとは思いませんでしたよ。下には下があるもんだなあ。
それはともかく、なぜ刑務所に恐竜が出てくるのかというと。
冒頭のヒーローっぽいオッサンが何やら密命を受け(?)トラックに恐竜を積んで刑務所地下に持ってくるのです。
そんで、部下にこんな説明をします。
「状況を知りたいと思うだろうが、俺も知らない。ひとまず待機する。監視カメラを止めて武器を持て。誰にも任務の邪魔をさせるな。では、かかれ!」
それだけ言ってこのオッサンはどっか行っちゃいます。
「俺も知らない」って…こんなわけのわからん指示は初めて聞きました。
ちなみに待機だけさせておいて、この後この部隊には何の指示もありませんでした。
どんな任務をさせたかったんでしょうか。
でもこの映画はだいたい全部こんな調子です。
で、当然ながらトラックから3匹の恐竜(ヴェロキラプトル)が脱走し、刑務所で暴れまくります。CGは平均的なZ級映画レベルですが、まあ頑張っていると言えなくもありません。
不良少女たちとオッサン囚人、死刑囚、所長、看守といったちょっと人数多めの混成パーティが
間の抜けたサバイバル劇を繰り広げるところがこの映画のメインディッシュとなります。
しかし別に大した見どころはありません。
それが終わると、今度は市街地に大量の恐竜が出現し、街は崩壊します。
大統領になりたいから恐竜を野に放ったとかのたまう黒幕をオッサンが重火器でオーバーキルして、「俺の戦いはこれからだ!」風にすごくかっこよく出撃。
そして生き残った少女たちは絶望して終わり。
…結局なんで刑務所に恐竜3匹を持って行ったのかは最後までわかりませんでした。
それどころかなぜ恐竜がいるのか、誰が何のために作って管理してたのか、何で恐竜を大量に放つと大統領になれると思っちゃったのか、今までの意味深な会話が何だったのか、そもそもなんでこんなものを作れたのか、とにかく何ひとつわかりません。
総評すると、これは道端に落ちてる大便や
嘔吐物と何ら変わりないレベルの存在と言えるでしょう。
普通の人は見向きもせずに避けて通るものですからね。
ここまでくると糞映画マスターでも目指してる人にしかオススメはできません。
ただ、ここまでひどいものを観てしまうと、その反動で次に観る映画は普段より10倍楽しく鑑賞できると思います。それだけが救いですね。