インデペンデンスデイ2016　感想

この作品、余計な前置きは一切なく、いきなり巨大宇宙船が来襲してきて
アメリカ軍のF-22とド派手な戦闘を繰り広げます。
ここは本当にスピーディなうえ、CGもパチモンとは思えぬほどのクオリティで
魅せてくれます。ホワイトハウスを真上からビームで撃破したりと本家のパロディも忘れず、そのサービス精神旺盛っぷりに思わず期待してしまいました。


…が！
この映画が輝いているのはここまでの１０分くらいです。
あとはひたすらダラダラダラダラどうでもいい展開が続き、最後は使い古されまくって手垢しか見えなくなったいつものオチ。
まあCGは悪くない出来だし、役者は真面目に演技してるし、吹き替えも真面目にやってますので
観る価値がないとまでは申しませんが、大抵の人は相当眠たくなってしまうでしょう。


エイリアン関連については見た目にせよ特徴にせよ目的にせよ、突っ込みどころはいっぱいあるというか、突っ込みどころしかない映画と言っても過言ではありませんが、一つずつ書いてたらキリがないし、本家リサージェンスもそこは同じようなモンなので不問とします。


しかしエイリアンとは関係ないところでどうしても「何考えてんだ」と言わざるを得ないシーンがあったのでそこだけは一応突っ込んでおきます。

…大統領たちがエイリアンと通信した時に、宇宙マイクロ波の中に暗号がある！と側近の技術者が気づきました。
これはメインフレームで解析しなければ！と大統領と側近たちはシェルターにこもるのですが、解析中にふたたびエイリアンから通信が入ります。
すると、「解析中に通信なんかしたらメインフレームがオーバーヒートしてシャットダウンしてしまう！」と焦る技術者。
メインフレームの性能ヘボくない？…けどまあそこまではいいでしょう。
しかし、なんでシェルター内の酸素濃度が猛烈な勢いで下がっていくのか…？
結構広いのに数分で酸素がゼロになるようです。穴があいた宇宙船かな？

いかん！メインフレームを再起動だ！と言ってもオーバーヒートしてできない。
大統領もシークレットサービスも酸素欠乏か何かで意識不明に。
側近たちは息苦しいのに耐えながら何やらバルブをがんばってテコで回します。
なんだか分からないがそれを回すと「もう大丈夫！」とか言ってメインフレームは無事再起動できて酸素濃度がもとに戻ったようです。
が、この一連のトラブルが一体何だったのか全然わかりません。
何でメインフレームが落ちると酸素が猛スピードで抜けていくのか、何でバルブ回したら修理したことになるのか…。


「何となくのノリで視聴者をケムに巻いてひとつ山場を作ってしまおう！」
ということなのか、
「こういう山場を作りたいけどうまく状況設定できない！もう適当にやってしまおう！」
ということなのか、
それとも単に「尺が足りない！もう何でもいい！」ということなのか…


まあこの映画の見どころと言えば冒頭のＦ－２２の戦闘と
このわけのわからん酸素欠乏シーンぐらいです。
終盤に敵の宇宙船に乗り込む場面でＣＧと役者の合成がうまく出来てなくて不自然になってるところもちょっとだけ面白いですが、全体的にかなり見どころに乏しいと言われても仕方のない出来でしょう。
それでも「紀元前１億年」クラスの低レベルパチモンに比べればクオリティはまだ高い方なので
話題作のパチモンをよく見る方ならば普通に楽しめるかもしれません。