製作:2016年ドイツ
発売:プルーク
画家のフレディは、浮気した妻と間男に過剰な暴行を振るったとして訴えられ、世間からもバッシングを受けていた。
しかし、それはフレディには身の覚えのないことだった。
悩むフレディの前に、幼少の頃に消えたはずのイマジナリーフレンド・エディが再び姿を現す。
彼は二重人格者なのか、それともエディは実在する双子の弟なのか。
ドイツのちょっと病んでる系サイコサスペンス。超地味。グロとかは全くありません。
主人公のフレディは見るからに神経質で繊細そうな芸術家で、はじめっからやってもいない暴行事件に対するバッシングを受けて欝々としています。
しかし少なくともフレディと同じ姿の男がやったのは間違いないようなので、やはり二重人格か双子かドッペルゲンガーネタのどれかなんだろうなという映画です。
世間の非難を避けて田舎町へ引っ込み、そこに住む子持ちの元看護師と仲良くなり付き合うようになるが、そこに昔消えたはずのイマジナリーフレンドであるエディが現われ、日常をかき乱し始める。
エディはフレディと全く同じ姿形をしており、本人にとっては現実だが他の誰にも信じてもらえない。
見るからに病んでそうな画家に「エディが帰って来たんだ…」などと言い出されると、周囲は「まだそんな妄言を吐くのか…」とウンザリした反応を返すわけで、例によって主人公だけがキチガイ扱いされるという観客にとってはストレスのたまる作り。
こういうのは映画ではよく見る話しなんですが、二重人格ものとして観ると本作は結構な違和感があります。
客観的に見てもエディは他人との接触を行っているので、少なくとも単なるイマジナリーフレンドではない。
ならもっと強気に無実を主張すべきというかエディの存在を簡単に証明できるだろ
と思うんですがなかなかそういうことはせず、むしろまったり2人でゲームして遊んでたりします。
フレディにとってエディは迷惑な存在なのかいい友達なのか、それとも罪悪感から糾弾することにためらいを覚えているのか。
ある日フレディは良い仲になりつつある元看護師とそり遊びをすることに。
いい大人が2人でそり遊び??と疑問符が浮かびますが、冬のドイツでは一般的なことなんでしょうか。
しかしそこにエディが現われ、看護師を危険な目に遭わせます。と言ってもちょっと急な斜面を滑らせただけなんですが。
必死にそりで助けに向かうフレディの勇姿がちょっとシュールです。
そこから先は…まあ予想の範疇内とはいえ整合性やリアリティには難のある力技でトンデモ展開に走ります。 火サス的というか何というか。
オチも定番中の定番で既視感ありまくりですが、全体的にはボチボチ楽しめました。
駄作揃いのゲオ先行レンタル作品としては例外的に良い映画だったんじゃないでしょうか。