製作:2017年アメリカ
発売:AMGエンタテイメント
1981年10月、イリノイ州の小さな田舎町。怪奇趣味に傾倒していたティム少年は、3人のイジメっ子にボコられ鬱屈した日々を送っていた。そしてハロウィンの日、ティムは道端でカボチャを拾い、イジメっ子への怨念を募らせながらハロウィン仕様に彫ってみたらトリックスターと名乗る悪魔が出現した。
本作、公式のあらすじでストーリーを丸ごと全部ネタバレしてしまってます。まあ別にネタバレを喰らっても悔やむほどの話でもないかもしれませんが、それにしたってオチも何もかも書いてるのは一体何の嫌がらせなのかと。あとディアボロって何なのか分からんうえ「世界一呪われた事件」などとやけに大風呂敷を広げていますが、せいぜい「トリックスター イリノイ州一呪われた事件」ぐらいの邦題で良かったのではないかと。
で、主人公のティム少年はオカルト雑誌を愛読し、薄暗い自室にこもってオリジナルモンスターの絵を描きまくったりフィギュアの製作に勤しみまくる内向的な人物です。いかにもいじめてくださいと言わんばかりの鬱屈した青白さの持ち主。彼がたまたま拾ったカボチャにイジメっ子たちへの復讐を念じたらそれが現実のものとなっていきます。
イジメっ子たちは確かにクソガキなんですが、さすがに惨殺されなければならないほどの罪を犯したとは言えず、動くオモチャや人形に腹や首を切り刻まれてやられるシーンを観るにこれは幻覚だなと思わせられます。
しかしティム少年が悪夢から覚めても死体は残っており、ティム少年は殺人犯としてハドンフィールド精神科医院へ収容されてしまいます。病院の名前もこの展開そのものもハロウィンの日に姉を殺したマイケル少年を思わせますが、さらにそこにはカーティスなる名の医師がいたりすることもあって本作からはジョン・カーペンターの「ハロウィン」に対するリスペクトを強く感じます。収容されたティム君がいつ白いマスクを被るのかなと思ったほどのハロウィン愛です。
ちなみにティム少年がイジメっ子たちを自宅へ誘い込むシーンではジョン・カーペンターの「Vortex」という曲がBGMに使われており、マニアをニヤリとさせてくれます。
↑「Vortex」はこのCDに収録されています。ジョン・カーペンターと言えばハロウィンのテーマですが、他にも「Assault On Precinct 13」「In The Mouth Of Madness」「Christine」「Escape From New York」など素晴らしい楽曲を数多く製作しており、私にとってはGoblinと並んで大好きな映画音楽制作者です。
ということで大した面白い映画でもなかったんですが、ジョン・カーペンターへのリスペクト精神は並々ならぬほど溢れていますので彼のファンであればボチボチ楽しめるんじゃないでしょうか。