製作:2015年カナダ・イタリア
発売:トランスフォーマー
第二次大戦末期、アメリカ兵のアダムスたちは敵地で襲撃を受け負傷し、孤立していた。何とか安全そうな建物を発見し逃げ込むが、なんとそこで待っていたのはナチス”超”極秘兵器・ヒトラー最強兵団ゾンビロイドであった。
あの有名なクソ映画メーカーこと「ウーヴェ・ボル」プロデュースのナチス&ゾンビ映画。ボルはドイツ人で本作の舞台もドイツでナチネタなのになぜか製作国がカナダ・イタリア合作という謎。
そして原題は「Zombie Massacre 2」ときた。なんの2作目ですかね?
ヒトラーも出てこないし。何から何までテキトーすぎる。しかしこのケレン味あふれる邦題を考えた人はなかなかセンスありますね。「ゾンビ虐殺2」としか言いようがない空虚な内容なのに、「超科学実験体」「ゾンビロイド」とかこんなロゴで主張されたら何だかただのゾンビではない物凄い怪物を観せてもらえそうな気分になってきます。
さてどんなC級バカ映画かな?
と思って再生ボタンを押すと、案外本格的な戦争映画っぽい導入に驚かされます。戦争と言うには人数がちょっと少なすぎるものの、映像は綺麗だしちゃんと爆発してる。少なくとも邦題やジャケ絵のようなふざけた空気は皆無のシリアスムード。
それは構わないのですが、敵地で孤立してしまった4人のアメリカ兵が「どうやって逃げよう…」と悩みながらマゴマゴしているシーンが異様に長く…いや、長いというか全編ほぼそれだけです。深刻な顔で心底どうでもいい会話をものすごくゆっくりしているだけ。眠たい。これは眠たすぎる。本作の尺は80分程度と一見お手頃ですが、エンディングまでは地獄のように辛く永い道のり。一体何度残り時間を確認して絶望したことか。本当に80分なのか。180分の間違いではないのか。とにかく油断すると即座に意識を狩られます。これは娯楽と言っていいのか?
↑逃げよう逃げようと言いつつ負傷者を置いて行けずグダグダしていると、ヒトラー最強兵団ゾンビロイドが襲ってきます。まあここだけはかろうじて見どころと言えなくもない。ゾンビロイドの造形だけは無駄にしっかり出来てます。動きが緩慢なオールドタイプ。馬鹿なアメリカ兵はせっかく銃を構えてもなぜか撃たずに近接戦闘にもつれ込まれ死んでいきます。一応ゴア描写もなかなか悪くはない出来。公式HPの「ゾンビの造形が、目の肥えたファンをうならせる」という説明文だけはあながちウソではないかも…。
壊滅的にもほどがある脚本に対し、映像的にはケチの付け所がありません。まさに仏作って魂入れずとはこのことか。
終盤になってようやっと黒幕らしきナチス幹部が現れ、ゾンビロイドの開発秘話的なことを演説してくれるのですが、特筆すべき部分が何もない至極ありきたりの内容でガッカリ。せめてヒトラーとかメンゲレでも出せばいいのに。何が「ホラーファンが歓喜する”完璧”な設定」(公式HP)なのか。わざわざ”完璧”とダブルクォーテーションでくくってるほど自信ありげだったのに。オチは意味分からんし。まあ、もういいです。眠気が限界突破していたので終わってくれただけでも歓喜しました。しかしこの文章を書いている今もまた猛烈に眠くなってきました。この映画のことを考えるだけで眠くなる。ということで今1時間ほど昼寝しました。一体どれだけ睡眠誘発効果のある映画なのか。不眠症の方にはなかなか良い映画なのではないかと思います。
↑これが前作らしい。設定もストーリーにも何のつながりもなさそうなんですが。まあ、気が向いたら観てみるとします。