製作:2016年アメリカ・ポルトガル
発売:アサルトワン
弟の追悼として各地をスケボーやサーフィンしながら撮影する旅にでたブルースたち。
しかし最後に滑った廃コースで地割れから洞窟へと落下してしまう。
すると、そこには血に飢えた地底人がいたのであった。
またしても「絶海9000m」や「ルイの9番目の人生」と同じように思わせぶりな煽り文句を大量にちりばめたジャケットデザイン。これめちゃくちゃダサイからやめた方がいいと思うんですけど。ただ本作に限って言えばそれ以前に内容があまりに酷すぎた。
これは紛うかたなきクソ映画の香り。前半はまだしも後半はかなり危険度の高いクソ映画でした。
本作の何が酷いって、まず尺が
122分もあるということです。
長いなんてもんじゃないのよこれは。
地底人が出るという情報を得ていなければまずレンタルしないよ。
だいたい、B級映画というものは82分ぐらいが適正な尺。
92分でもちょっと長いなーと思うし、102分もあろうものなら鑑賞にあたってかなりの覚悟が必要になってきます。本作はそこからさらに20分も上乗せするという信じがたい蛮行。
そしてただ長いだけじゃなく、本作はペース配分が異常極まりない。
「スケボーやサーフィンを愛するクサレ馬鹿集団が洞窟に落っこちて地底人と戦う」という単純な内容なのに、まず洞窟に落ちるまでに
60分、地底人と遭遇するまでに
105分かかります。
そして地底人とのバトルは
7分で終わります。
それじゃ初めの60分間は一体何が見られるのかと言えば、
スケボーやサーフィンを愛するクサレ馬鹿集団が
スケボーやサーフィンに興じている様子を延々と映し、
スケボーやサーフィンに対する愛を熱く語りまくる
イメージ映像のようなシロモノが画面に映し出されます。
↑こやつらはスケボーやサーフィンの達人集団らしいのだが…
そんなにすごい技術なのかどうかもシロウトにはよくわかりませんでした。
車に引っ張ってもらえるなら私でも出来そうな気がしますが。
楽しそうと言えば楽しそうですね。
主人公のブルースはローラースケートで寝ていたカップルをうっかり踏み殺してしまった過去を持つ男ですが、全編通して死んだ弟のことばかり美化しまくって語るわりに自分が殺してしまった人間のことは一切省みない真性クズ。この撮影旅行の資金も麻薬を売り捌いて作ったもの。アメリカのスケボー者やサーファーはそういうワルがカッコイイとでも思ってんですかね?
心底ゲンナリしてきます。
あとローラースケートにそんな殺傷力があるとは初めて知りました。
とはいえ、彼らのスケボーやサーフィンに対する愛だけは本物らしく、それについて熱く語りまくるシーンでは一応情熱が伝わってこないこともない。全然興味ないけど。ミュージックビデオっぽいスケボーやサーフィンシーンもそれなりにスタイリッシュでボゲーと眺める分にはそこまで悶え苦しむほどの苦痛ではない。そのうちディセントみたいに洞窟で遭難して野蛮な地底人と戦ってくれると思えば、耐え忍べないほどのクソ映画ではない。…ような気がする雰囲気。
↑そして並みのB級映画であれば終盤とも言える60分地点を過ぎ、
ようやっと謎の割れ目へと落下してくれるクサレ脳みそたち。
おっここからが洞窟で遭難パニックからの地底人出現というクライマックスになっていくんだな!?と色めき立つところです。
が、本作はむしろここからが酷かった。
ここから40分以上も、
ものすごく見辛い暗闇の中をグダグダ仲間割れしながらさまようだけ!
何でもいいけど長すぎる!そして何も起こらねえ!地底人いつ出るの?
これは死んでしまいます。私が。
んでもう地底人が出たら出たで、
ただの小汚いホームレスみたいなオッサンが1人いただけ!
何だそりゃ!
小汚いホームレスがブルースの彼女を襲う(性的に)!
スケボーで殴りつけるブルース!
しかし彼女に誤爆し顔面崩壊。
ホームレス激怒! お前が怒るのかよ!
こやつらは一体何をやっているのか。
それにしてもスケボー強いな…
ということで、ローラースケートやスケボーは思いのほか殺傷力が高い。
という豆知識を教えてもらえるクソ映画でした。