深海モンスター・ホラーの最新作が、ここに緊急浮上!
地球上には、絶対に行ってはいけない場所がある!
★『リバイアサン』『ザ・デプス』そして『アビス』等、1980年代後半から1990年代にかけ、一時代を築いた超人気ジャンル<=深海モンスター・ホラー>の最新作! !
★久しぶりに登場する人気ジャンル<=深海モンスター・ホラー>の要素に、「研究の為なら、いかなることもいとわない! 」という学者の狂気的なテーマが合体!
そして、誰しも想像できないクライマックスが観る者に最大級の驚愕を与える! ! !
(Amazon内容紹介)
まさかこの邦題、この紹介文で…
モンスターパニック映画じゃなかったとはね…
にしても「久しぶりに登場する人気ジャンル」ってなかなかすごい文章ですね。
人気があるなら絶え間なく出てくるだろうよ。
「深海モンスター・ホラー」とか言いつつ、深海のシーンなんて最初の2分ぐらいでおしまいだし、あとはほとんどフツーの一軒家の中だけで話が展開します。
めちゃくちゃ安い絵面のイギリス映画でした。
大学の研究で深海に潜り、妙なタコ型生物をこっそり持ち帰った主人公オリーブ。
それを地下室で人知れず育てているうちに狂気にとりつかれていき…
という感じの話です。
なのですが、なぜオリーブがその変なばっちいタコ型生物に魅入られてしまったのか?
それが全く理解できないまま、静かに、淡々と、ゆっくりねっとりじっくりと、
時間をかけて狂気を育んでいくので恐ろしく退屈になります。
そのタコ型生物のエサが分からず手当たり次第にいろんなものを与えてみた結果、
人間しか喰わないと分かり、
大学の教授やら、誘拐してきたバアさんやらを喰わせるシーンはかろうじてモンスターホラーと言ってもいい雰囲気かもしれません。
恋人や妹まで喰わせようとするまでに狂ったオリーブ。
かなりホラーな絵面に見えますが、目についてるのは多分タコ墨。
西洋人はタコやイカにかなり強い嫌悪感を持つようですが
日本人には共感し難い感覚です。
タコ型の化け物からの視点。
プレデターっぽいサーモグラフな映像。
ちなみにタコ型の化け物はビニールっぽい安さ全開で、
常に一部しか画面には映らず全体像はラストシーンで一瞬出てくるだけ。
オリーブが、タコを見つけた妹のエリーに対して
「このタコ型生物は神なの!私はその母なのよ!タコは私に従うのよ!私はすごい力を手に入れたのよ!」
とか何とか叫びながらタコに真っ二つにぶっちぎられるシーンがクライマックスということですが、まあそこのグロ表現だけはボチボチ気合が入っていたような気はします。
何で今更オリーブがタコに殺されるのか全然分からんし(調子に乗ったから?)
だから何だよとしか思えないし、怖くもなければ衝撃も受けようがない。
ということで、マジでゲボ吐きそうなぐらいクソつまらなかった本作ですが、
これはどうやらクトゥルフ神話をモチーフにした作品のようでしたね。
ジョン・カーペンター監督の「マウス・オブ・マッドネス」にちょっと近い雰囲気だったように思います。
クトゥルフ神話マニアの人ならもしかすると楽しめるのかもしれませんが、
そうでない人にとってはもう本当に「何のこっちゃ」という感想しか出てこないでしょうね。
頭おかしい女がタコに人間食わせてたら自分も喰われちゃった。ってだけで心理描写的にも何一つ理解できない。
私に言えるのは、クトゥルフ神話マニアじゃないなら間違っても観ない方が良いということだけですね。
久々に消化不能レベルのゴミを食べてしまいました。