製作:2014年アメリカ
発売:トランスフォーマー
目が覚めるといきなりボロい部屋に監禁されていた薬理学の準教授エミリー。そこにはイスとテレビと24時間に設定されたデジタルカウンターが設置されていた。彼女を監禁した覆面の男たちは「1月11日に何があったか話せ」と迫って来る。一体何だというのか。
「キューブ」でもなければ「ファイナル」でもないうえに「トラップ」ですらない映画。
ここまで「名は体を表す」という言葉に逆らった映画も珍しい。
じゃあ一体何なんだよ…と言うと、原題は「RIDDLE ROOM」です。しかし、一体どこに「RIDDLE」要素があったのかすら分からない。原題すらも本来の役割を放棄している。じゃあ一体どんな映画なんだよ…と言うと、おばさんが部屋でゴロゴロウダウダしているだけの映画です。そんなもんが見たければ自分の母親なり奥さんなりを80分間眺めていれば済むことではないでしょうか。久しぶりにメガトン級の核地雷映画を引いてしまいました。
ちなみにジャケットには「目覚めると、謎の立方体」とか書いてあるんですが、立方体っつーかただのボロっちい木造部屋です。
物は言いようだな…などと感心している場合ではない。
おばあちゃん家の物置みたいな感じ。しかもほぼそこしか画面には映りません。恐ろしいぐらいの貧乏映画です。こんなんでいいなら誰でも映画が撮れるんじゃないですかね。
↑ばあさんちの物置みたいな部屋で一体何をしようと言うのか?
不気味な覆面を被った男が「1月11日にあったことを話せ」という問いを繰り返してきます。知らんよそんなの。目的はそれだけみたいですが。謎解きかと思ったら特に謎解き要素が無かった。
で、「タイムリミットは24時間」とのことですが、確かに24時間に設定されたデジタルカウンターが壁に貼り付けてあるものの、それが切れたらどうなるという説明は一切無し。
「解かなければ、死」というのもウソ八百で、そもそも何を解けばいいのかも分からんし別に殺すとも何とも言われておりません。
↑やることが何もなくてゴロゴロしている薬理学准教授エミリーさん。
マジでゴロゴロしているシーンが多くてこっちまで眠くなってきます。ヒマでしょうがないからってそんなろくに掃除機もかけて無さそうな汚い床で寝ることはなかろうに。一応、天井裏にカッターが隠されていたり、床下に1月11日の新聞記事が隠されていたりするのがファイナル・トラップ(笑)なのかと。それらに何の意味があるのか全く分かりませんでしたが。
で、敵の1人をちょいと押しただけで倒せてしまったり、銃を簡単に奪えてしまったり、そもそもその銃が空砲だったりという茶番をダラダラ展開した結果、黒幕が衝撃的真相をベラベラ語ってくれたりするのですが、クライマックスにも関わらず眠くて眠くてたまらない。そんなしょうもない真相で驚く人がいると思ってることに驚きますよ。つーかよく最後まで起きていられたなと自画自賛したいくらいです。
80分しかないのに引き伸ばしが酷い。
天井に向かってジャンプするくだりも長すぎてツライ。
なんもやることないんだよねっていう製作者の心の声が丸聞こえ。
なら、そもそもこんな映画撮ろうとするなよ…。
としか言いようがない真性クソ映画ですが、なんでこんなもんが流通してしまうのか。字幕付けるのだって手間だろうに。ゴミを「キューブ」っぽく飾り付けて売りつけようぜ!っていう配給会社のあまりにもゲスい商売根性に感心します。
まあ、クソ映画マニア的には要チェックかもしれません。
これほどまでにほめるところが無い映画もそうそうないですよ。教育テレビの盆栽番組の方がよっぽどエキサイティングに見えてくるレベル。
しいていえば、不快になるような音や映像が無かったことぐらいですかね。
何もない映画ですから当たり前なんですけどね。