侵略者(エイリアン)との接触(コンタクト)に備えよ
最強“アクション番長”vs凶悪エイリアン
ウェズリー・スナイプス主演SFバトル・アクション!!
”最強アクション番長ウェズリー・スナイプス完全復活作品!今度の敵は人間を拉致《エイリアン・アブダクション》しては 生体実験を繰り返す謎の宇宙人。あらゆる要素が詰め込まれたアクション大作。
(ハピネットピクチャーズHPより)
単に「コンタクト」というタイトルだとあの有名なSF映画の方になりますが
本作の邦題はあくまで「ウェズリー・スナイプス コンタクト」です。
「
ウェズリー・スナイプス シールド・フォース 監獄要塞」
に続く、アクション番長最新作。
なんか毎回のように邦題に名前を入れられてますが、実はどっちもスナイプス番長は主演じゃなくてただの脇役という肩透かし。割とオレ様映画ばかり作ってるイメージの人だったんですが刑務所に入ってる間にどういう心境の変化があったんでしょうか。
エイリアン・アブダクションをテーマにしたSF映画ということなんですが、
若者の5人グループが人里離れた湖畔のキャビンに遊びに行く導入部は、
どう見ても「悪魔のいけにえ」の流れを汲むありがちな田舎ホラーの趣が
強く出ていてSFっぽさが皆無です。
彼らがそこで狩人としてひっそり世捨て人のように暮らしているスナイプス番長に出会うのですが、もう番長は完全にやべー奴扱いであり下手するとコイツが殺人鬼役なのか?
と疑いたくなるぐらい本当にやべー奴です。
トラックに獲物の血が着いてたり若者に暴行を働いたり。
番長は「シールド・フォース」でもあんなんだったこともあり、メタ的にも番長を信頼の目で見ることができません。
もともとワルっぽい顔だし、脱税してムショ入りしたぐらいですからね…
いや、現実と映画を混同してはいけませんね。
ともかく、あんなボロボロでばっちい身なりで原始的生活を送ってるくせに「元宇宙飛行士」という来歴が明かされても、「嘘つけ!」と言いたくなります。
そんなスナイプス番長はエイリアンに誘拐され、人体実験された過去をお持ちであり、ひそかに彼らに復讐心を燃やしていました。
これでスナイプス番長が主人公なら、エイリアンをばったばったとなぎ倒すような、もっと面白い映画になった気がしてならないんですが、実際は若者グループが主役なのでそうはなりません。番長が倒すのは1匹だけです。
ちなみに番長は若者グループをエイリアンから助けてくれたうえに小屋にかくまってくれるし、傷の治療もしっかりやってくれます。が、若者グループはそこまでされても番長には好感を持てなかったようで隙あらば逃げようとするところがちょっと悲しいです。
かなり古典的なイメージの映像ですが、エイリアンによるアブダクションの瞬間。
人間よりも上位の存在であり、人間は実験の対象としか見なしていない様子。
この手の映画で毎回思いますが、高度な文明を持ってるように見えない宇宙船内の光景。
なぜこういつも生っぽくてグロテスクなのか?
エイリアン自身の姿もグレイをちょっといじった程度の外見であり当然のように全裸なので高い知能を持ってるようには見えません。番長の原始的な罠にかかって獣のような唸り声をあげるような奴らです。
エイリアンに拉致された若者たちが、これまたすごく原始的な手術器具で改造されるシーンは、
やっぱり田舎でサイコ野郎に拉致されて拷問されるシーンにそっくりであり、
やっぱりSFというよりただの田舎ホラーを観ている感覚に陥ります。
とはいえ改造人間と化した若者たちが超能力に目覚めるラストシーンは田舎ホラーとはまた違った珍妙な味わいがあり、投げっぱなしのどうでもいいエンディングとはいえ多少はインパクトがありました。
待望の「番長VSクリーチャー」なアクションシーンもわずかながらありますし、
この先一体どうなってしまうんだ!?というワクワク感は最後まで持続しますので退屈はしませんでした。
投げやりなオチでも許容できる方ならば、そこに至る経過はまあまあ楽しめるかと思います。
「シールド・フォース」を手に取ってしまったような番長ファンの方にはそこそこオススメです。