製作:2015年フランス
発売:クロックワークス
久しぶりにパリへ帰って来たクリスは、旧友のリュックとドラッグパーティに参加する。二次会へ行こうと拾ったタクシーへ乗り込むが、調子に乗った2人は料金を踏み倒してトンズラかましてしまう。
しかし、彼らが怒らせてしまったのは
人類最強のタクシードライバーだった。
強靭極まりない筋肉×日本刀×クライスラーの猛攻から逃れることは出来るのか。
珍作度:★★★★★★★★★★
超展開度:★★★★★★★★★★★
筋肉密度:★★★★★★★
オシャレ度:★★★★
切り株度:★★★★★
何じゃこれ度:★★★★★★★★★★★★★★★
いや~…何これ?
…一週回って文句なし!
10点満点!
と無駄に快哉を叫びたくなるほど、アレすぎるおフランス映画でした。
しかしどうでもいいけどこれアマゾンプライムで配信してるんですね…また気付かず普通にレンタルしてしまった…
序盤~中盤にかけてのストーリーは、アホな若者2人がタクシー料金を踏み倒して逃げようとしたらそのタクシーに追われまくるという、「激突!」に近い感じの内容です。そこに男女のめんどくさい三角関係が嫌な感じで絡んでくる人間ドラマを加えてあります。
おフランス映画らしくアーティスティックで文芸的な香りを感じなくもないシャレオツな雰囲気。とても人類最強伝説が始まりそうな筋肉映画とは思えないスカしたノリの出だしです。
一体どこまで本気でやっているのか。
↑料金払わないどころか罵詈雑言を並べ立てツバを吐きかけ逃亡するアホ2人。
清々しいほどにドクズです。「激突!」と違いこっちは情状酌量の余地がまったくありません。
だが、そのタクシーには
人類最強のドライバーが乗っていた。
どこまでも追ってくる人類最強ドライバー。
"踏み倒しは許されない"
"負債は必ず返済される"
ビビりまくるアホ2人。
バカでかくて小回りの利かないクライスラーなのになぜか逃げ切れない。
一体どうしてそこまで執拗に追ってくるのか?
そしてなぜフラ車ではなくアメ車タクシーなのか?
↑室内に逃げ込んだアホ共を追う時は普通に車を降りて追ってくる人類最強ドライバー。凄まじい筋肉に全身イレズミ、日本刀装備。わりとマジで死ぬほど強そうな威圧感を放っています。プレデターの1体や2体ぐらいなら難なく倒せそうです。
タクシー代踏み倒しは確かに犯罪ですが、それにしてもザクザクと死体を積み上げて行く様子はちょっとただのサイコ野郎では済まない感じ。ジェイソンのような超常的な殺人鬼なのか、それともアホ2人がチョコチョコ意味深に匂わせる後ろ暗い過去の関係者、つまり復讐者なのか。
私ごときに想像できるのはそんな程度でしたね。
追われるアホ2人の後ろ暗い過去という伏線がわざとらしく見え隠れするため、クライマックスでそこが絡んでくるのかと思いきや…全く想像も出来ない角度からのウルトラ超展開。
まさかのジャポニズム。アニメ。サムライ。全裸。筋トレ。償い。敬意、忍耐。粗食。大仏。
それがなぜタクシーに????
タクシーの軍勢に??????
何というかどんでん返しなどがある映画の場合、それが「ある」と知ってしまうだけでもネタバレになり得るわけですが、本作の場合あんまり関係ないです。
伏線とか、まあ無くもないけどあまりにも斜め上すぎてこれを予測するのはよっぽどのサイコ野郎でもない限り100%不可能でしょう。
しかし、フランスからの日本に対する歪んだ愛が伝わって来るような気がしないでもない、実に面妖な珍作でした。
通常の意味で「面白い」とはとても言えませんが、日本人なら観てみる価値はあるのではないでしょうか。一応。
そして、観終わった後は筋トレをしたくなることでしょう。
筋トレこそが人類最強への第一歩だと信じて…。