ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ザ・カニバル・クラブ 感想



製作:2018年ブラジル
発売:アクセスエー

金持ち夫妻のオタヴィオとジウダは、性行為中の人間を殺して食べるという変な趣味を持っていた。同様の趣味を持つ富豪たちの秘密クラブにも入って人肉食を楽しむ日々。しかしある日、彼らはクラブのボスが自分たちの使用人(男)と性行為に耽っている現場を目撃してしまい、命を狙われることになる。











ブラジルの映画ってあまり観る機会がないんですよね。
当ブログで記事にしたものでは「サタニック・ビースト」「メイヘム殺人晩餐会」「モーターラッド」の3つだけです。
正直言ってロクなのがないなという印象なんですが、本作も見るからに悪趣味そうなカニバリズム映画。果たしてブラジル映画の悪印象を覆してくれるのでしょうか?






さて、導入のあらすじを読んだだけで相当エグくてゲロゲロしい映画を覚悟してしまうところですが、意外にもカラッとした爽やかさのある映画です。明るいBGMに晴天の海辺が長々と映し出されるオープニングは陰惨なカニバリズムをいい意味で予感させません。個人的には、こういうギャップを持たせてくる映画は好きですね。陰惨なホラーだからって頭からケツまでずっと陰鬱な雰囲気で貫き通されるといくら好きでもウンザリしてしまいます。日常から非日常への落差が激しいからこそ恐怖が際立つというものです。


ただ本作はホラーではないのと、日常的に人肉食を楽しむ変態夫婦が主人公なので実はそれほどのギャップはなく頭から尻尾まで実に単調な味わいです。
普通の人にとっての非日常が日常である異常な世界での話。
ブラジルの富豪はそんなに変態ばかりなのか?
と心配になってきますが、おそらく金持ちにいいようにしゃぶり尽くされる貧乏人という格差社会の残酷さを表現していると思われるのでブラジルの富豪の名誉を考慮に入れる必要は無さそうです。
ブラジルの富豪はカニバリズムを嗜む変態ばかりであるという認識を持ってもよろしいでしょう。


ところが、本作には致命的すぎる欠点がありまして、それはなんと肝心の人肉料理がすごく美味そうに描かれているってことです。というか見た目明らかに牛肉かなんかです。ステーキにしてもシュラスコにしても食欲をそそる見た目です。人体にそんな肉とれる部位ある?っていう。わりと高級な肉を使っているのではないか。人肉料理が美味そうに見えるなんてカニバリズム映画としてあまりにも痛すぎる。そこは嫌悪感を煽ってくれないと…世にもおぞましいはずのカニバル・クラブがただの平凡な会合にしか見えない。


しかもカニバル・クラブの会合はその1回だけで終わりですし。5分ぐらいしか無かったんじゃないか。
その後一応サスペンス的にはボスの秘密を知ってしまったオタヴィオたちが狙われて…となるわけですがストーリーはシンプルすぎるし淡々としすぎてるしかなり眠気を催してしまいました。
オチまで観ると金持ちをコケにして楽しむコメディ映画だったのかなとは思いましたが…
ブラジルの人々がどんな顔してこの映画を観ているものやら全く想像が出来ませんね。実に変な映画ですが「モーターラッド」と「メイヘム」を足して2で割ったような感じと言えばそれらを観た人には伝わるでしょうか。あまり積極的には勧めませんが、ゲテモノ好きなら、まあ…アリかも…とだけ言っておきます。


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自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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