ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

エイリアン:コヴェナント 感想(ネタバレあり)




このシリーズを見ていていつも思うんですが、なんでこんなグロくてキモいものが世界中で公開されて大ヒットしたりしなかったりするのかなーと不思議です。
時系列的には初代エイリアンよりも以前、プロメテウスに続くエイリアンの起源に迫る新シリーズ第2作目に当たります。


 オリガエ6という惑星に入植するため、長い旅を続けるコヴェナント号が、怪しい信号を受信。
出所を探したら人が住めそうな惑星を発見→こっちの方がオリガエより近いからこっちにしようぜ!事故が怖いからもう休眠したくないよ!
とえらい短絡的な判断でその惑星に行ったらえらい目に…という、ちょっと初代エイリアンを彷彿とさせる流れの出だしです。


(以下ネタバレ全開で最後まで書いてますんでご注意ください。)


 短絡的とはいえ全く無視して通り過ぎるのもなんですから、調査のために怪しい惑星に降り立つのはまあいいですよ。
しかし、いくら大気成分が大丈夫といってもヘルメットとか防護服の類まったくナシの生身で未知の惑星を探検するのはいかがなもんでしょう。


しかもいきなり水中です。変な細菌とか水棲生物がいたら…とか普通思うでしょ…
と思ったら案の定、クルーのうち1人がキモイ卵を踏みつぶして変な微粒子を舞い上がらせます。それが耳から体内に侵入。
それからどんどん体調が悪くなり、痙攣したり大量の血を吐いたりします。
どんな病気かなあと思って観てたらチェストバスターならぬ背中からバックバスター出現。
白くて小さいエイリアンですが、白いだけに赤い血が映えます。キモイです。
 え、微粒子に侵入されて数十分から数時間?でこんなことになるの?


そんな感染者を助けようと治療室で奮闘していた女性たちが色々とやらかします。
やたら何度も盛大に血で滑ってコケて
あらぬ方向を銃乱射したりと何やってんだこいつらと思うことでしょうが、
バックバスターがキモ怖すぎるので仕方がありません。
もし私があの場にいても多分パニクってコケたり乱射したりする自信があります。
そして銃を乱射しすぎて探査船ごと大爆発。
人によってはコントに見えたかもしれませんが、私にとってはこの一連のシークエンスはなかなかにスリリングでした。


(※ちなみに背中から出てくる白いエイリアンはネオモーフといい、従来のエイリアンは
ゼノモーフというそうです。)


それで草原でネオモーフと戦って何人か死んだり、善玉アンドロイドのウォルターの片手がちぎられたりしてたら前作プロメテウスのアンドロイド、デヴィッドが出てきて助けてくれます。
どっちも外見は同じマイケルファスベンダーです。
ウォルターは人間に忠実なしもべという感じがしますが、デヴィッドは実に怪しい。
そしてデヴィッドが髪型をウォルターに合わせると、手首の欠損でしか見た目には区別できなくなります。


で、大体の元凶はこのデヴィッドでした。
創造する能力を持ったアンドロイドが、1人取り残されてヒマだったので
エイリアンを作ってみた、ということらしいです。

これはねえ…いらん設定ですよ…
なんというか、エイリアンは人工物じゃなくて天然ものであってほしかったですね。
これはエイリアンに限らないのですが、モンスター物の映画って
「正体不明の怪物」が初登場して、その見た目、脅威、特性、対処法、などが徐々に明らかに
なっていく過程が一番面白いんですよね。
だからシリーズ1作目で全てが明らかになった後の2作目以降はどうしても
1作目より面白く感じることは出来ないんです。
続編で出来ることといえば、シチュエーションを変えての焼き直しか、
こんな風に怪物の起源に迫ったりとかですが…うまくいってるのを見たことがないですね。


それはそれとしてデヴィッドはエイリアンを増やしたいようです。
船長をおびき出して、ゼノモーフの卵がある部屋へと連れ込みます。
「全く安全ですよ」なんて怪しさ全開なデヴィットの言うことを信用して
卵をのぞき込む船長は一体どれだけマヌケなんでしょうか。
こんなんで今まで世渡り出来てきたとは思えません。
 案の定速攻でフェイスハガーに襲われます。
ここはさすがに誰が見てもコントでしかありません。
そして速攻で飛び出すチェストバスター。かと思いきや手足がちゃんとあり、
 感動的なBGMと共にデヴィッドとバンザイします。
時系列上、初めてのゼノモーフ誕生シーンですから感動といえば感動…しますかね…?


そして何だかんだでクルーの一人がフェイスハガーに襲われ(すぐはがしますが)
もう一人は速攻で成体になったゼノモーフに殺され(時間経過どうなってんの?餌は?)
残ったのは主人公っぽいダニエルズという女性と、寄生されたっぽいクルーと
アンドロイド2人だけになります。
そして開始されるアンドロイド同士の格闘戦。
それも取っ組み合いというよりなぜか割と本格的なマーシャルアーツ(?)によるバトルです。
エイリアンでこんなシーンを見ることになるとは…。

で決着はボカされたまま、救助にきたコヴェナント号に乗り込み、
ついでに張り付いてきたゼノモーフとの派手なバトルが展開されます。
ダニエルズさんが突然覚醒し、嵐の中飛行する宇宙船の上で生身で闘います。
 命綱を付けているとはいえ、あれだけ振り回されてたら宇宙船下部に投げ出された時
ジェット噴射で焼け死ぬだろうと思いましたが…何も言うまい。


なんとか宇宙船に張り付いたゼノモーフを倒してお終い…なはずもなく、
ちょっとだけフェイスハガーに張り付かれただけの憐れなクルーからも
ゼノモーフが誕生してしまいます。
おまちかねの閉鎖空間でのバトルです。
マンネリだろうとこれが見たかった。
アンドロイドはどう考えてもデヴィットなので裏切ってゼノモーフを助けるかなと
思いましたが普通に協力的で、無事に一件落着。
ちょっと物足りないバトルでしたね。


これでダニエルズも安心して7年6ヶ月の休眠に入れます。
…というわけもなく、休眠直前にこのマイケルファスベンダーが実はウォルターではなく
デヴィッドであることに気付き、泣き叫びながら休眠。
デヴィッドは2千人の入植者を思う存分エイリアンの繁殖に活用できるのでした…
というシリーズ屈指のバッドエンド。
「エイリアン:アウェイクニング」に続く!
…と思ったらアウェイクニングは時系列的にプロメテウスとコヴェナントの間らしいです。
そんなの全然面白そうじゃないんですが…。


総評として、まあ…つまらなくはなかったです。
点数にするなら70点ってとこですね。
エイリアン3やプロメテウスよりは面白かったと言えましょう。
しかし、おそらく最大の問題点は登場人物のキャラがやたら薄いってことでしょうか。
マイケルファスベンダー以外の人がほとんど印象に残りません。
なので危機に陥ろうと無残に殺されようとなんの感情も湧き上がってこないのです。
少なくともエイリアン1~4はそんなことなかったと思うのですが…。
プロメテウスですらショウ博士には助かってほしいな~と思って見てましたよ。
コヴェナントで実験台にされて死んでましたけど。
前作で!あれだけ!頑張ったのに!
エイリアン2のニュートの時と似た気分になりました。


アウェイクニングが過去篇ならAIがいかにしてエイリアンを創造するに至ったか…
みたいな観念的・哲学的な面を推し進めてきそうであまりいい予感はしませんが
ここまで来たら最後まで見届けようと思います。

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岩石入道
性別:
男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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