映画史上初のダブル・ディザスター・パニック!
《人喰いザメ》が《巨大津波》と共に襲来する!!
「ジョーズ」以来の動物パニックの鉄板ジャンル《人喰いザメもの》、「2012」に代表される災害パニックの《巨大津波もの》。
この最強の二大“ディザスター・パニック”要素(《人喰いザメもの》&《巨大津波もの》)が、奇跡の電撃合体を果たしたのが本作だ!
(インターフィルムHPより)
2009年でちょっと古めのオーストラリア・カナダ合作サメ映画ですが、このレベルの作品になるともう観たことあるんだか無いんだか記憶があやふやになってきます。
他にも「シャークハンター」とかけっこう好きでDVD持ってて何回も繰り返し観てますが、何回見ても速攻で内容忘れますしね。
まあそれがブログ書き始めた理由の一つなんですが。
記事にしておけばもう無駄に記憶を無くして同じクソサメ映画を何度も観返すこともなくなるでしょう。「シャークハンター」もそのうち記事にします。
冒頭の20分ほど、マリブビーチのライフガードたちによるものすごい空虚な人間ドラマを見せられて眠くなってくる映画ですが、ツナミと共にミツクリザメの群れが襲撃してきてからはボチボチ退屈せずに観られる程度の作品でした。ていうかオーストラリア・カナダ映画なのになんでアメリカが舞台なの?
ちなみにツナミのシーン自体は別にそんなにアピールするほどすごい見どころってわけでもないです。CGもヘボいですし速攻で終わります。その後ライフガード事務所で孤立してしまうためのシチュエーション作りのための仕掛けっていうだけですね。
本作は、ごく正統派のサメ映画のようでいて、あっちこっちにえらくトンガった部分が散見されます。
↑右肩に
「ネョラョテ」とカタカナで謎の呪文を彫っているライフガードのリーダー。
恋人だった同僚の女性ヘザーを「奴」に奪われてしまい、あちこちに八つ当たり気味。
そのヘザーという女性を巡る
ネョラョテマンと奴の三角関係が人間ドラマの主軸となりますが、その肝心のヘザーがどう見てもゴリラおばさんなので観ていてかなりキツイ。
検索してみたら昔はすごい綺麗だったみたいですけどね、ペータ・ウィルソンさん…。
本作のサメはミツクリザメ(ゴブリンシャーク)。結構珍しい種を選んできますね。
しかしなぜか海洋生物学者に「何百万年前に絶滅したはずの種」という扱いをされます。
いや、今でもいるだろ!なんでそんなすぐバレるウソをつく?
wikiによれば基本的に人に危害を加えることはない、とのことですが本作では当然ながら非常に獰猛で血に飢えています。何が狙いでミツクリザメを選んだんでしょうか。
CGの出来はサメ映画としては普通レベルですね。…普通ですよね?
ライフガードたちはツナミが迫っているというのにミツクリザメを観て海洋生物学者と殺すの殺さないのとモメたせいで逃げ遅れ、事務所に取り残されます。
ここで孤立した状況でのサバイバルが本作のメインディッシュというわけですね。
足を怪我したパツキンビッチの治療シーンが無駄に長く、その間パツキンビッチの悲鳴がキンキン響いてやたらストレスがたまります。傷の描写が無駄にリアルでほんとに痛そうだし。
ちなみに吹き替えで観てたんですが、失礼ながら声優さんは相当ヘタな部類ですね。
主人公のダグ(ブルドッグ風イケメン)とこのパツキンビッチは特に酷い。ザ・棒読み。
まともに演技出来てたのは
ネョラョテマンとゴリラおばさんだけだったと思います。
婚約者がサメに襲われ、取り乱す無職のオッサン。
シリアスなシーンですが、
「ネョラョテ」がこれでもかとフレームインして笑いを誘います。
喰いちぎられた婚約者を見て悲痛に泣き叫ぶオッサン。
しかしそんな熱演も虚しくなるぐらい
「ネョラョテ」が異常なほど自己主張します。
もうこれわざとだろ?
別な意味で耐えられないカット。
どれだけその彫り物を見せつけたいのか?
「ネョラョテ」に気をとられてサメどころではありません。
ネョラョテマンによる露骨なまでの死亡フラグ。
…かと思ったら、この男何度もしぶとく危機を潜り抜けます。時には1発しかない照明弾をサメにうち、時にはチェーンソーでサメを切断と主人公よりも大活躍。というかもしかしてコイツが主役だったか?
これはかなり予想外。
この手の映画で三角関係が出来てしまうと、余ってる人間は絶対に殺されるものだと思っていたのですが。驚くべきことにエンディングまで3人とも生き残り、このゴリラおばさんが誰と結ばれるのかは結論が出ませんでした。まあ別にどっちでもいいんですがね。本人も結局コイントスで決めようとしてるし。そんなんありか?
ただ90分映画なのに85分を過ぎても事態が収束に向かう様子がなく、とりあえずどこにゴールが設定されているのかも分からなくなってくるので一体どんなぶった切りエンドなのかと不安になりました。結局なんとなくヘリがやってきてメデタシメデタシでしたがね。事務所の屋根の上で寝てればよかったんじゃないの?と思わざるを得ない締め方でした。
総評としては「意外と楽しめるクソ映画」という感じですが、暇つぶし以上の何かを提供してくれるかどうかは本作のトンガった部分が心の溝に上手くフィットするかどうかにかかってくるでしょう。
「ネョラョテ」という文字列を見て何かを感じた人にはオススメです。