製作:2015年アメリカ
発売:ミッドシップ
行方不明の姉を探していた女性格闘家ビリー。ある日目を覚ますと、見知らぬ島の浜辺にいた。そこには同じく誘拐されて来た男女数人がサバイバルしていたが、なぜ誘拐されたのかは誰も分からなかった。そんな中、謎の兵士たちが襲撃して来る。
監督・脚本が「サメの惑星」シリーズでおなじみのマーク・アトキンスによるサスペンス格闘アクション+サメ映画。なので本作も88分ながらえれえ長く感じるクオリティでC級に近いB級映画ですが、出演者は異常に豪華。どっかで見た顔、いつも見慣れたあの顔、まさかこんなところで!?と驚く懐かしの顔がいっぱい観られます。
南米の無人島に集められた男女数人、そして時々襲って来ては1人ずつさらっていく傭兵団…一体その目的は?
…と言われてもデスゲームじゃなければあとは臓器目的ぐらいしかありません。他にも似た映画があった気がするし、だいぶ安直な設定です。
↑しかし、そこは「鮫の惑星」シリーズで名を馳せたマーク・アトキンス監督。
イカダを作って監禁島から脱出しようとしたビリーたちにしっかりアオザメが食らいついてくれます。サメの出番はここだけですが、サメが人を喰らうシーンがあるのならそれはサメ映画と認定してもいいでしょう。
マーク・アトキンスによる「格闘アクション+サメ」映画となると人間ドラマはさぞかしいい加減なんだろうなと思ってしまうところですが、案外そこにも力を入れたのではないかという意欲の残滓はあります。例えばSASを詐称していた元兵士の葛藤とか。
↑敵傭兵団のNo2として思わせぶりに出てきたマイケル・パレ。例によって裏切りそうな雰囲気満々です。当ブログは主にコリン・ネメック、ドルフ・ラングレン、そしてマイケル・パレを全力で応援しています。
ところが、本作のマイケル・パレは敵傭兵団のボスを裏切って殺そうとするのはいいんですが、ものすごくアッサリと返り討ちにされて即退場。それが物語上意味があったかというと何もない。一体彼は何をしに出てきたんでしょうか。たまには生き残るマイケル・パレが観たい。
何しに出てきたんだといえば、本作にはあの世界的超有名俳優であるエドワード・ファーロングも出ています。未だにあんな冴えないオッサンになったとは思いたくない落ちぶれっぷりで、厭らしくビリーにセクハラ発言をかますのはいいんですが、彼もまたそれだけであっさりフェードアウト。何のために出てきたんだか全然分からんぞ。
↑臓器を売られたくないし、行方不明の姉を見つけたい。その一心で敵傭兵団と戦うごんぶと眉毛のビリー。ナタリー・バーンと言う人は初めて知りましたが、見せかけではなく本物の格闘アクションを見せてくれます。そこは普通に出来が良く、その辺の兵士もなかなかキレる技の冴え。
で、ビリーの回想でたびたび父親に稽古をつけられるシーンが出てくるのですが、その父親が明らかにただ者ではないオーラを出しています。さぞかし名のある人に違いない。というか、まさかこの人は!?と思ったらやっぱりあのベニー・ユキーデでした。物凄い久々に見た。何でこんな映画に出てんの。何でロメロ・スペシャルなんてかけてんの。
ほんで悪の権化のような女としてダリル・ハンナが出てきますが、もうおばあちゃんみたいですねえ…。そしていいだけ「あんな奴の臓器はダメ」とかわがまま言ったり適当に何人かぶっ殺してこれまたフェードアウト。倒されるべき悪ではなかったのか。かように次から次へと使い捨てられるかつてのスターたちの有り様は、まさにエクスペンダブルズ。
ということで、格闘シーンには光る部分があるものの、全体的にはいつものマーク・アトキンスクオリティなのでそこに理解がある方ならば何とか鑑賞に堪えうるのではないか? という気がする映画でした。