製作:2018年アメリカ
発売:ハピネットピクチャーズ
トラック運転手のニコラス・ケイジは、コンビニのトイレで男に首を絞められている中年女性ジュリーを助ける。しかし、「余計なことを」と怒るジュリー。なんと彼女は、首を絞められることによって幽体離脱し、瀕死の娘を霊界から救い出そうとしていたのだった。ところが、ニコラス・ケイジが介入したことによってジュリーの娘の中にはニコラス・ケイジの死んだ元嫁の魂が入り込んでしまった。ジュリーと深い仲になったのに娘(元嫁)にも復縁を迫られるニコラス・ケイジは一体どうすればいいのか。
「地獄行きリベンジ・スリラー」…って一体何が? リベンジ?? スリラー???
「ニコラス・ケイジ主演作=怪作」という図式がいつから成り立ち始めたのかもう記憶がさだかではありませんが、最近はもう怪作を通り越して珍作を量産する体制に入ってるんじゃなかろうかと推測せざるを得ない珍作。ここまで来るともうニコラス・ケイジが楽しそうに演技しているのを確認するだけの作業になっている気がします。それだけである種の満足感が得られてしまうっていう。しかし他には何もない。内容とかもうどうでもいいですよね。
首を絞められているところを助けた女性に逆ギレされるオープニングからしてもう何だこれって感じですし、幽体離脱して娘の魂を呼び戻そうとしていたのよって…いや、もうね。そんな設定、あろうがなかろうが別にどっちでもいいですよね。何だかんだでその助けた(?)女性ジュリーと深い仲になって楽しむニコラス・ケイジ、と思いきやその娘にまで誘惑されてますますお楽しみなニコラス・ケイジ、しかしさすがに母娘の二股は許してもらえずヤケクソ全開な結末まで堕ちて行くニコラス・ケイジ。
元嫁の魂が入ったから何だというのか。ヒゲ面の肥満体と化したニコラス・ケイジが若い娘にモテるのはおかしいから元嫁の魂ってことにしよう!というアイデアが先にあったのか、なかったのか。とにかく、幽体離脱とか関係なくこの映画の見所はニコラス・ケイジのお楽しみっぷりだけです。
↑お楽しみは大変結構だが、このTシャツは一体何のメタファーなのか?
後半ずっとこのワニTを着ているんですが、正直内容よりこのワニTの方が気になって仕方がない。ちょっとほしい。
しかもこのワニT+迷彩柄ブリーフなどというスタイリッシュでファッショナブルなコーディネイトで娘と乳繰り合っている現場を押さえられてしまうニコラス・ケイジ。
これを観て笑い転げない人がいるだろうか?
リベンジ・スリラーでもオカルトでもアクションでも何でもなく普通にただのコメディです。
娘に乗り移っていた元嫁の魂が、実は…
…っていう、サスペンス的な要素もあることはあるんですが、上記のような現場を押さえられた時点でニコラス・ケイジはどっちみちジ・エンドなのでそんなもんどうでもいいって話です。ヤケクソになって落とし前を付けるニコラス・ケイジの姿に大笑い。CGが妙に安っぽいのがもう、あざといくらいウケを狙ってます。
ということで、ニコラス・ケイジのファン以外の人が観たってしょうがない映画ですし、ファンの人が観てもしょうもない映画だと思います。これを新作で借りるぐらいなら「ザ・ロック」を観返した方が万倍有意義なのは疑う余地もありませんが、あえて彼と共に堕落した時間を過ごしたいという濃いファンの方であればそれなりに楽しめるかもしれません。それなりに。