製作:2013年アメリカ
発売:アットエンタテイメント
ある日、ボストンの街に巨大な隕石が墜落する。化学教師のジョーはそれが隕石ではなく異常気象によるものと警告するが、誰も聞く耳を持たない。やがて巨大なトルネードがボストンの街を覆い尽くし、全てを破壊していく。ジョーはトルネードを止め、ついでに家庭不和を解決できるのか…
自然災害がテーマの映画って、モンスターパニックや殺人鬼映画に比べると対象が意思を持ってない分どうしても薄味というイメージがあります。その分映像的にはハデだったりキルカウントが多かったりするわけですが、劇場公開作ならともかく低予算テレビ映画では大した差が出せるわけもなく。
むしろ低予算で災害を見せようとすればするほど違う意味で悲惨な画面になってしまう傾向すらあります。
なので当ブログでもカテゴリー作ったわりにはあまりネタにはしてこなかったんですが、中には「
メガストーム」のような稀に見る珍作も紛れ込んでいると知り、竜巻系の鉱脈にも手を付けていこうかなと考えた次第です。
とはいえ、やはり「メガストーム」級の壊滅的インパクトがその辺にゴロゴロしているわけもなく。
いや、前日に「メガストーム」さえ観てなければ本作もなかなかのアホさ加減を誇るC級バカ映画として楽しめたとは思うんですよ。
トルネードが爆発する石を飛ばしながら襲ってくる…名付けて「ストネード」ですからね。
飛んできた石に当たった人はだいたい木っ端微塵に消滅するし、落っこちた石の爆発に巻き込まれても木っ端微塵に爆発飛散します。文字通り消えてなくなるのでゴア描写も全くなし。
トルネードのCGは初代PS末期レベル。
「メガストーム」には遠く及びませんが、まあ悪くはないトンデモさ加減。
また、2013年と言えば初代「シャークネード」が世にまろび出た年でもあります。
2013年はトルネードに何かひと味プラスワンしようと試みた人が複数いたということですね。
そう考えると本作は実に不幸です。
「人喰いサメを飛ばしてくる竜巻」と「爆発する石を飛ばしてくる竜巻」では、さすがに後者に勝ち目がなさ過ぎた。飛んできた石に当たって消滅するより、飛んできたサメに喰われて消滅する方が楽しいに決まってます。C級映画の世界はよりインパクトを与えた方の勝利です。
で、ストーリーはディザスター映画お決まりの「家族の絆の再生」。どうして毎回毎回飽きもせずこれなの。しかも超薄味。噛みすぎて味のなくなったガムの如し。極めてどうでもいい感じです。
なので、本作は逃げ惑い爆発飛散していくボストン市民の死に様とパニックをボンヤリ眺めて楽しむだけの映画と言えます。そういうシーンには事欠かない作りなのでそこまで強い睡魔に襲われることもないでしょう。暇つぶし程度にはオススメ出来ないこともありません。
例によって解決手段が「爆弾を竜巻に撃ちこむ」という全く持って芸のない、いつものアメリカンな脳筋マンネリ力技で萎え萎えです。ただ、主人公が「爆弾で解決できる」と言った次の瞬間に強力な爆弾をサクッと出してくれるドラえもんのような海上局員が一応見どころと言えば見どころですかね。
↑余談ですが、本作は鳥が結構画面に映るので鳥好きにはちょっとうれしい。これは灯台守が飼ってるセキセイインコのウィンストン。
本作を観ている私の横には同じセキセイインコのチャーチルがおります。この偶然には思わずニッコリ。