アザーズ　捕食者　感想

ストーリーの方は、
「凄腕傭兵部隊が、何か事故のあった極秘エネルギー研究施設へ博士を助けに行ったらモンスター（捕食者）と遭遇」
という、ありがちな流れとなっております。
ちょっと妙な捻りが入っているのは、霊能力者を連れて行くってところですね。
霊能力者は人がどこにいるかを探知できるということで普段は
山岳救助隊のヘルパーなどをやっているようですが
傭兵部隊にも着いてきて戦闘にも普通に参加し、チェチェン人を銃殺したりと何でもやってくれます。
人探し以外にもサイコキネシスとか人の過去を見たり？色々な能力を持っている節も
あるのですが特にそれが役立つ場面はありません。
私は「捕食者」も察知するのかと思ったんですが本当にただ人を察知するだけなので
「捕食者」の気配は全く感じ取れません。
だったら別にいなくてもいい気がしますが…。
というか傭兵部隊が霊能力者の言うことを疑いなく信じて活用していることに違和感を覚えました。

あともう一つ捻りが入っているのは、「『捕食者』がどこからやってきたか」です。
エネルギー研究でなんでモンスターが現れるんだ？と思いながら見てましたが
割りと珍しいパターンでのモンスター出現原因じゃないでしょうか。
と言っても科学者がセリフで説明するだけなので
別に宇宙から来ようが油井爆破で目覚めようが何だっていいんですけどね。


問題はそのビジュアルと特性にあまり魅力と個性がないということです。
本家プレデターっぽく「捕食者」の主観視点は時々挿入されたりしますが、
ただ目についた人間を殺す（食ってるかどうか不明）だけで変わった行動もない。
とはいえ、そこら辺は演出でカバーできていると言えるでしょう。
なんせ最後の最後までほとんど正体不明なので、それまでは
姿なき敵を警戒する傭兵部隊の描写でスリルを煽るわけです。


この映画は序盤から何気ないシーンからカット割りがやたら細かい傾向にあり、
早送りやスローモーション、フラッシュバックなどを多用して
パソコンを設置するシーンでもオッサンがコケるシーンでも、とにかく何でも滅茶苦茶スタイリッシュに仕上げてあります。
やりすぎで笑えるくらいです。
低予算ゆえの画面の安っぽさを何とかごまかそうと力んでいるのは分かるのですが、
画面がガチャガチャしてて鬱陶しいのは間違いありません。
しかし、索敵や戦闘シーンなどはこれがわりと良い方に作用しており、
「捕食者」の姿が直接見えなくてもほどよい緊張感が維持できています。

「あーこいつ死んだな」「こいつ雑魚っぽいな」などといったこちらの予想を外してくるところもあり細かいところも工夫して丁寧に作ってあります。低予算モンスター映画が好きな人なら相当楽しめるでしょう。
結構オススメです。