ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

シャークネード5 ワールド・タイフーン 感想





 今年も早いもので、もうシャークネードの季節がやって参りました。
それにしても5作目ですか…
「サメ映画界の絶対王者」と名乗っているようですが、
確かに5作目まで続いたサメ映画などこれまでなかったはず
(ジョーズシリーズは確か4作しか出てない)
なのでその称号も認めざるを得ないかもしれません。

とはいえ…
これってサメ映画か?
という疑問も毎回感じているわけでして…

「広義のサメ映画」と思えばいいんでしょうが、サメを巻き込んだ台風が襲ってくるなんてのはどっちにしろサメ映画としては相当の変わり種、変化球、邪道なわけです。
もはや「シャークネード」という独自のモンスター映画と言った方がしっくりきますね…

しかも今作、悪乗りが過ぎて禁断の消耗品ドルフ・ラングレンまで出してしまいました。
まあ今回はカメオ出演レベルなので本格参戦は次回作からだと思います。
…もう次回作があることを前提に作ってることに喜びと呆れが入り混じった複雑な感情が湧いてきますね。




前作はスターウォーズ風味でしたが、今回はほんのりインディ・ジョーンズ風味です。
まあ、インディジョーンズに限らず色々な映画のパロディが散りばめられていますが。
とにかくギャグとパロディとスペクタクルなシーンが1時間半の間ほぼ休まずに
連発されるので退屈するようなことは全然ありません。


3作目あたりからそうですが、サメ映画としては恐ろしくお金をかけており、異常にクオリティが高いと言えます。サメ映画じゃなくてもここまで予算が右肩上がりのシリーズものは非常に珍しい。
サメがほとんど画面に映らないサメ映画が横行する中、非常に贅沢な内容と言えるでしょう。
今回「ワールド・タイフーン」(原題はグローバル・スウォーミング)という題名の通り世界各国を巡る内容といい、シャークネードが世界中で大人気なのは間違いないようです。これはもう好事家だけの人気ではありませんね。シャークネードは一般人受けもしているということです。


ストーリーは主人公フィンの息子ギルがシャークネードに巻き込まれてしまい、それを追ってフィンたちが世界各国を飛んで回るという感じです。
変なヘルメットをかぶっただけの小学生が長時間シャークネードに巻き込まれてても死なないとか、フィンたちももはや当たり前のように生身でシャークネードに突入するとか、ワープするとか、サメの神とか、トンデモ描写はエスカレートする一方です。
悪乗りに悪乗りを重ねてもはや何が何だか分からなくなる一歩手前の状態。
下手をすると前衛的芸術映画に化けかねませんが、
ギリギリのラインでエンターテインメント大作風味のB級テレビムービーという
体裁を保っています。その手腕と見極めは素晴らしい。

ただ、ファミリー向けを意識しているのか、ゴア描写は逆に大人しくなる一方ですね。
…サメ映画でファミリー向けを意識しているとか、後にも先にもこのシリーズしかない気がします。色んな意味で特異な映画です。



ところで、シャークネードシリーズに順位をつけるとしたら、私はこうなります。


3>4=5>2>>>1


やっぱり3作目で宇宙に飛び出してしまったのが一番面白かったんですね。
4と5は全体的なクオリティとしては3より上なものの、あれ以上に爆発力のあるシーンを生み出せてはいません。

サメ台風なんて本来1発ネタですよ。それを5作も続けるとなると、さすがにマンネリ化は必至だと言わざるを得ません。

インフレは3作目で宇宙まで飛び出したことで限界を迎え、4作目では炎やら牛やら色々なものと合体させてひねりを入れてきましたが5作目ではロケーションでの勝負です。
イギリス・スイス・オーストラリア・ブラジル・イタリア・日本・エジプトと7か国もまたにかけて戦うのがウリなわけですがシャークネード自体はいつものやつ。



ただ、日本人としてはやはり日本にまでやってくるというのは5独自の大きな見どころと言えるでしょう。
ただしここで日本にやってくるのはシャークネードではなく放射能で変異したシャークゴジラですけどね。フィンたちが日本にいるのは嬉しいし、これはこれで特別感があっていいですが、ノーマルシャークネードにも来てほしかったような気も致します。贅沢かな…

終盤は色々と取り返しのつかない事態が発生し、
いつになくシリアスな空気に包まれながらバッドエンドへ向かいますが
いきなりドルフ・ラングレンが現れて次回へ続く。
良くも悪くも次回作は今までとは違うシャークネードが観られそうです。



総評としては、まあ前作と同じくらい楽しめる安心安全な良作と言えます。
こんなキワモノを安牌と評してしまうことに複雑な思いはありますが、これまでのシリーズを追ってきている方であれば見ない手はないでしょう。

元々はC級映画なのにもうこれA級と言っても過言ではないんじゃないか…とか思っちゃうぐらいエクストリームな出来であります。
シリーズ未見の人がいきなり5を見ても大丈夫ではありますが、できれば過去作から見た方がいいです。…当たり前ですね。

ただこのシリーズ、1作目だけは並みのC級映画クオリティなのであんまり面白くないという難点があります。普段サメ映画に興味の無い方が見たら確実にクソ映画扱いするでしょう。当時は凄く輝いてるクソ映画だったんですけどね。

なのでシャークネードシリーズに興味はあるけどどこから入ればいいのかわからない、でもC級映画には耐性のないという方は2作目から見ることをオススメします。















次回作:「シャークネード ラスト・チェーンソー4DX

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岩石入道
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男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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