シャーク・キラー　感想　サメは添え物

サメ狩り師みたいなことを生業にしているチェイスという男が主役ですが、
これを演じているデレック・テラーという方がとにかくデカイ。
身長２メートルぐらいあるんですかね。サメをナイフで倒したり、ギャングを素手で倒しまくっても違和感がないくらい周囲との体格差があります。
しかし容貌や物腰は人懐っこく軽薄で女好き、銃火器と海が嫌い。となかなか魅力のあるキャラクターとなっておりました。
なんでサメ狩り師をやってるのかはよく分かりませんでしたが。


そんなチェイスがギャングの兄貴ジェイクに「ダイヤを飲み込んじゃったサメ」の狩りを依頼されるが、地元の大ボスも同じダイヤを狙っており、チェイスの恋人ジャスミンを誘拐し脅迫する…みたいな感じで基本的にギャング同士のイザコザの方がメインなのでサメはあんまり出てきません。


ホホジロザメの聖地ケープタウンが舞台ということで、
ＣＧではないサメがジャンプするエア・ジョーズのシーンもちょっと映ったりしますが、
人を喰い殺すシーンは全くありません。
チェイスたちとサメが絡むシーンではＣＧですが、あまり大きくないうえにやたらチョコマカ動くので恐ろしいどころか可愛らしい雰囲気が出ちゃってます。
ケープタウン沖は世界屈指の恐ろしい地獄のような殺戮の海、というイメージがあるのではじめちょっとワクワクしたんですがチェイスたちは割りと平気で海に出てダイビングするので微妙に落胆。私が妄想を膨らませ過ぎてるんですかね。あんなとこ行ったら即喰われるとばかり思ってました。
ということでサメ目当ての人が見るべき映画ではありませんが、
このタイトルとジャケットではサメ目当ての人しか見ないというジレンマ。


救いなのはチェイスとジェイクとジャスミンの掛け合いがわりと楽しく、コメディ的にも悪くないしアクション映画的にもまあまあ良く出来ているということですね。ということはつまり、
サメ映画を観慣れている人ならサメの出てこないサメ映画にも慣れているはず（？）なので
本作は安心して楽しめる良作サメ映画ということになるんじゃないでしょうか？いや、自分が何を言っているのか分からなくなってきましたが、まあ一言でいえばレンタルで観る分にはたぶん損はしないでしょう。低予算映画に慣れているなら、サメ好きの方もそうでない方も安心してお借りください。



ただラストの方でジェイクがとんでもない外道なことをやらかしてしまうので、
面白兄貴な気がしてたけどやっぱジェイクはとんでもないクソ野郎なんだ…もうコイツの末路はサメに喰われるしかないんだ……
と、誰もが確信するであろうあのシーンですが、あの結末にはガッカリです。
「兄貴なんだ」とか言ってるけどさあ…本当にあれで良かったのか…釈然としない…。