ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

バッド・ディシジョン 終わりなき悪夢のはじまり 感想



製作:2018年アメリカ
発売:TCエンタテイメント

カメラマン志望の極貧青年ショーンは、親友のデレクと2人で空き巣を繰り返していた。しかしある日、見るからに金持ちの独身男の家へ侵入すると、そこには女性が拘束監禁されていた。その場では救うことが出来ず、警察には何度通報しても信じてもらえない。どうしても女性を見捨てられないショーンは自らの手で再度救出を試みるが、犯人の狡猾な罠に嵌められていく。












空き巣に入ったら家主が拷問マニアのサイコ殺人鬼だった系サスペンス。
尺は1時間50分とかなり長めですが、適度にスリリングで全く退屈することなく最後まで観れました。

この手のサイコサスペンスでは、犯人がどれだけヤバイ奴なのかを表現するところに力を入れてほしいと思っているのですが、本作はその点すごくヌルめで、直接的な暴力描写はほぼ皆無だし、厭な想像を膨らませてくれるほどの恐怖演出もないのでかなりライトな作風でした。拷問殺人するぞするぞ~と散々思わせぶりに見せかけといて結局まったく何もしないのはさすがに拍子抜けでしたね。いや、別にそんな凄惨なシーンを観たいというわけではありませんが。




主人公ショーンは空き巣常習犯のクズ野郎ですが、拷問殺人レベルの犯罪は絶対に許せないと考えているようで、本作のテーマはそんな人間が一体どこまで正義感とか良心に殉じることが出来るのか、といった部分にあるように思います。


ただの一度の軽犯罪も起こしたことのない模範的市民である私から観ると、たとえ空き巣とはいえ充分人を傷つけている可能性のある立派な犯罪を、しかもあんな楽し気に繰り返している社会のゴミクズのくせに、なにをいきなり正義の味方ヅラをかましているのかと感じなくもない。


とはいえ、見ず知らずの女性のためにあそこまで我が身を顧みずにサイコ殺人鬼に立ち向かえるか? と言われるとさすがにYESとも言えないので、自分が模範的市民などではなく単なる事なかれ主義者に過ぎないと判り複雑な気分に陥らされました。いやそんなことはともかく、監禁されていた女性のことなど忘れてしまえば何の問題も無く日常へ戻れるのに、大した葛藤も無く全身全霊で助けに向かおうとするショーンの姿が非常に眩しく映ります。


それに気付いたサイコ殺人鬼は、いくらでもショーンを仕留めることが出来るにも関わらず、それをしないで陰湿な罠でちくちく彼を陥れて行きます。が、これが本当にケチくさい感じの陰湿さで、「ムカつく野郎だなあ」とは感じても「なんて恐ろしい奴なんだ」とはとても思えないのがもったいないところです。クライマックスでいよいよサイコ殺人鬼の隠れ家に辿り付いてからの展開はそのもったいなさが実に顕著です。「助けに来たよ」ってものすごい感動的なシーンであるというのに、その後微妙にコミカルになってしまうのが何とも…。サイコ殺人鬼にもっと凄味があれば捨て身で救出に来たショーンの勇敢さが際立つしもっと緊張感も出せたと思うんですが。


と、言うような惜しさもありますが、それを差し引いても面白いサスペンス映画だと思いますので、あんまりヘビーな奴は苦手なんだよという方には特にオススメです。







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岩石入道
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自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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