ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ザ・ハウス 呪縛のAIマンション 感想(ネタバレあり)



製作:2016年アメリカ
発売:竹書房


古い食肉加工場をリフォームして作られたIoTマンション「フェアモント・ロフト」。入居者も順調に決まり、オーナーのアレックスは幸福の絶頂にいた。しかし、その食肉加工場では牛だけではなく人間もシメられていた過去があった。食肉加工された者の怨念がAIとアレックスを乗っ取り、何も知らない入居者の肉を狙う。


 


 



 


またAIの反乱ものか、と思ったらそうではなくオーソドックスな幽霊屋敷もの。AIと言っても音声で設備を操作する程度なのでタイトルにするほどAI要素はないです。
どうせなら「呪縛の肉牛マンション」にすれば良かったのに。


表面的には、3人家族の父親が憑りつかれて殺人鬼化していくってことで若干「シャイニング」っぽさを感じます。
殺人が行われていた食肉加工場をIoTマンションにリフォームして自分も住むという神経が理解しにくいところですが、個人的には「実は殺人が行われていた」という要素はいらなかったのではないかと思います。

というのも、序盤~中盤で起こる怪奇現象が主に「TVやモニターに恨めし気な肉牛が映る」ことなので、別に殺された人の怨念じゃなくても「肉牛の怨念」に特化した方がユニークで良かったと思うんですよね。ただその場合、牛肉を食べにくくなるというデメリットが発生しますが、まあ肉を食べる時に少しは殺された動物に想いを馳せることが現代人には必要かもしれないという気もしますし。






ともかく、本作は全体的に「肉を食う奴は死ね」というヴィーガニズム溢れるメッセージ性が感じられます。かつてそこにいた食肉加工業者が殺人鬼だった、というのも理由が全く語られないので、「牛を殺せるような奴は人間も同じようにぶっ殺してもおかしくない」という偏見が前提にあるようにも見えます。



また、ランチの準備で肉を切るシーンの気持ち悪さとか、霊に憑りつかれて殺人鬼化したアレックスが入居者のホッケー選手を逆さ吊りにして包丁で解体してしまうシーンなどからも肉食系への過剰なヘイトがにじみ出ています。まあ、グロイ部分は全く見せてくれないのが難点ですがね。どうせやるならもっと派手にやってほしい。色々と中途半端なのでお子様でも問題なく鑑賞できるホラー映画になっております。




↑寝てるのに何度も勝手にテレビが付いてIoTマンションの不具合ウザッ!と思って見たら、そこには屠殺直前のかわいそうな肉牛の映像が!
…って怖がっていいのかどうかよく分からない世にも珍しいホラー演出ですね。
このオッサンはシメられる肉牛と一体化する幻覚を見せられて心臓麻痺で死にます。








↑怨霊に憑りつかれそうになってフラフラとさまようアレックスにも肉牛の姿をこれでもかと見せつける。これは…怖いか? どっちにしても、なんかもう殺された人の恨みなのか肉牛の恨みなのかよく分かりません。





ということで、肉食系の友人知人をヴィーガンになるように説得したいと思ってる方はレンタルして一緒に鑑賞してみてはいかがでしょうか。そうでない方は例によって午後ローで放映された時にでもご覧になってみてください。これは多分いつかやると思う。





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岩石入道
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男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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