ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ザ・リチュアル いけにえの儀式 感想(ネタバレあり)

 



NETFLIXオリジナル作品で何やら原作小説が存在するらしいモンスターパニック(?)映画です。

NETFILIXオリジナル映画というのがどういうビジネスモデルで製作費をひねり出しているのかよく分からないのですが、セブンプレミアムみたいなもんですかね?
なんかブランド化したいみたいだし、そう簡単に駄作をひねり出してくることはないでしょう。多分。


邦題には「いけにえの儀式」とついてますが「RITUAL」がすでに儀式という意味なのでちょっと微妙。
というか、オカルティックなイメージなのはいいけど何かこう若干高尚な雰囲気を持たせているのがいけませんね。
前半の思わせぶりな恐怖の煽り方や心理描写は結構良く出来ていましたが最後まで観るとやっぱただの変なモンスター映画では?
という感想を抱かざるを得ないのでよけいな期待を持たせないためにも、
「ザ・リチュアル 地獄の鹿魔人」とかそんな感じでいい気がします。



長年の友である4人の男達が、スウェーデンの森を抜けるハイキングの旅に出かける。数ヶ月前の悲劇を胸に歩みを進める彼らを、想像を絶する恐怖が待ち受ける。
(NETFLIXより)



5人の仲良しオッサングループのうち1人が強盗に殺されてしまい、その時居合わせたのに助けられず見殺しにしてしまった…。という自責の念に駆られているルークというオッサンが主人公です。
死んでしまったロバートというオッサンがトレッキング好きだったし、ルークを慰めるためにも残ったオッサン4人でスウェーデンの山歩きしようぜ!
ということになったが、そこにはバケモノが!

…という、ありがちな流れ。
本作はイギリス製ですが、あの大英帝国が誇る超名作地底人ホラー「ディセント」も同じような流れで洞窟探検に行ってました。
イギリス人は親しい人が亡くなったら大自然と触れ合いに行く習慣でもあるんですかね。
「お前のせいでこんなことに!」と仲間割れが起こるまでが様式美です。


しかし「ディセント」と違って本作はもう本当にヒゲ面のむさいオッサンだけしか出てこないし、舞台は終始薄暗いスウェーデンの針葉樹林の真っただ中だし、笑える要素が何もないし、何よりモンスターとの熱いバトルも無いし、
本気で辛気臭いだけのホラー映画と言えます。
何が楽しくてわざわざこんなものを観るのでしょうか?


…と自問自答したくなってきますが、アマゾンUKで本作のDVD商品ページを見てみると、非常に評価が高い。ジャケにも「本年のベストホラー」みたいなことが書いてあります。あと原作小説も評価は高いようです。


つまり、例によって無宗教者の日本人には分かりにくい系統の映画ってことですかね。
向こうの宗教をテーマにして暗喩を練り込んである映画って全然演出の意図を読み取れないんですよね。
聖書とか読んだことないし。北欧神話とか大して知識ないし。
教養がなくて大変申し訳ないのですが。


森の中に怪しげな木造の小屋があり、そこで一夜を明かす4人のシーンはかなり意味が分からないところです。鹿の角みたいなのがついたご神体が祀られているのですが、フィルというオッサンがいつの間にか全裸で祈りを捧げていたりします。
「なんでオレはあんなことをしていたんだ」と苦悩しまくるフィル。
観ている側としても、どうしてなんだろう?と興味を引かれますが、最後まで見ても何でか全く分かりませんでした。他にもルークは胸に7つの傷を負ってるし、ハッチというオッサンは寝小便してますが結局何が起こってそうなったのかは最後まで分からずじまい。
こういうしょうもないハッタリはほんとやめてほしいですね。民話か何かになぞらえてるのかな。


後半では北欧神話のロキの子孫(鹿魔人)を崇めるカルト集団が森の中に住んでいることが発覚し、彼らはいけにえに捧げられようとするわけですが。
ドムというオッサンがいけにえに捧げられる前に一体何をされていたのか?
とにかく見えないところで何か酷いことをされたという描写、ルークには水を飲ませるのにドムには飲ませない、ドムは前日に予知夢を見ていた、という伏線(?)、ロキの子孫が見せる愛する者の幻覚、等々やけに意味深な演出を重ねてくるんですが、何の回答も出てこない。


痛みを背負ってるからルークはカルト集団に加わる資格があるらしい、とか
強盗から友人を守らなかったというトラウマからの幻覚がやたらフラッシュバックするとか
とにかく意味深な描写だけはしっかり出てくるものの何の回答も示されない。
トラウマの克服ができたと言っても…もう友人誰も残ってないし。新しいトラウマになりませんか。
そしてロキの子孫と戦いはするが倒すことはできず、吠えて追い払うだけという玉虫色の決着。


小説を読めば納得のいく描写があると思うので、確かめたいところではありますがどうやら邦訳版は出ていない模様。
おそらくこの記事を読んでいる方は、本作の結末やロキの子孫である鹿魔人について何らかの考察を求めていると思いますが、申し訳ないことに私には何の答えも出せません。
まあ、大した答えなんかないんじゃないの? という気が致しますが。友人を見殺しにした罪悪感からの解放さえ描ければ他はどうでも。という感じ。


単純にオッサングループが鹿魔人に襲われるパニックホラーとして観ることも難しいし、結局のところ誰にもオススメできない変な駄作としか言えません。

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岩石入道
性別:
男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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