ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

喰らう家 感想(ネタバレあり)



製作:2015年アメリカ
発売:トランスフォーマー



交通事故で息子を亡くし、田舎の一軒家へ越してきた中年夫婦。
しかしそこは死体を売りさばいていた葬儀屋が住んでいたという曰くつきの屋敷だった。
怪奇現象の原因は悪霊なのか、息子の霊なのか。夫婦は友人の霊媒師を呼び、交霊を試みる。





原題「We are still here」が「喰らう家」に…
そして「グゴッ グゲゲゲェェェェ」…
ジャケットはもう何が何だかという感じですが、設定やストーリー自体は実にありがちで古臭いホラー映画。
出てくる車もやけにクラシックだなと思ったらどうやら80年代が舞台のようです。
こういう変なジャケットじゃなかったら手に取らなかったかも…と考えるとトランスフォーマー社の人は悪くない仕事をしたのかも…?




80年代が舞台と言いましたが、全体的に「あの頃の」古き良きホラー映画風味。
後で調べたらルチオ・フルチをリスペクトしているという話が出てきたんですが、地味なわりに説明不足でわけのわからんストーリー展開するのと、クライマックスにやたら張り切ったスプラッター描写で血の海地獄を見せるところは確かにそんなような気がしないでもない。


単純に恐ろしい亡霊の棲む家に越してきてしまった中年夫婦が襲われる。という話かと思って観ていたのですが、30年おきにいけにえを求める悪魔がいるとか、街ぐるみで何かよからぬことを企んでいる風だったりと微妙にスケールが大きく、あんまり「喰らう家」と題したくなるような話でもなかったりします。

全体的に静かなトーンで進行し、音による脅かしも少なく、さりげなく映り込む影などで恐怖を煽って来る手法はかなり良いです。しかしそれも中盤までで、いざ人を襲ってくる時はジャケのような黒焦げの亡霊が現れて直接攻撃を仕掛けてきます。車に乗り込んできてシートもろとも胸を貫通するほどのパンチを放ってくるなどかなりの攻撃力。というか直接的すぎる。怨霊というより人型モンスターみたいになってます。霊能者が交霊したらしたで乗り移って来て「ここはオレの家だ!」喚き散らして靴下を飲み込んでみたりとやることが派手。心霊モノはもっとジットリしてる方が怖いと思うんですけどね。ちなみに「グゴッ グゲゲゲェェェェ」というような鳴き声を発したりはしてませんでした。


やることが派手目、とはいえ残った殺され役は霊媒師くらいしかいないしクライマックスもそんな大したことにはならんだろうなあ。と思ってたら、主人公の夫婦がいけにえになってくれないと悪魔が鎮まらず、街の住人が困る!という話で、町民たちの方から喰らう家に大挙して押し寄せるという奇妙な展開。いけにえは別に死体でも構わないのか、皆さん武器を持って総攻撃をしかけてきます。街に災厄が広がることを考えると殺人も致し方ないらしい。

が、当然ここから亡霊のホコ先が町民の方へと向かい、大スプラッターまつりの開催となります。地味な映画かと思ったらこれはうれしい誤算。災厄を避けるために乗り込んできたのに、逆に町民が次から次へとグッチャグチャにブチ殺されます。血糊の量がもの凄い。こうなると怖いというより爽快ですね。「やれ!やっちまえ!」という気分になること必至。

夫婦の命を捧げるはずが、自分たちがいけにえになっちゃってるなんて本末転倒すぎて何してんだと笑っちゃいますし、亡霊に背を向けてしゃべり出す黒幕町長(?)のお約束的マヌケさも呆れはしますが、やられっぷりが過剰にハデなのでまあ別にどうでもいいかとなるこの感じ。そして何だかんだと目潰しが多め。確かにちょっとフルチっぽいかも…。


結局越してきた夫婦はなんで殺されずに済んだのだと問いたくなりますが、そこは息子の霊に守られたのだ、ということでいいのでしょう。多分。親友は守らなかったようですが。
それより、レストランのウエイトレスが殺されたことの方が意味分からん。深く考えるだけ無駄なのかな。

ということで、細かいことを気にせず暴力的な怨霊が派手な殺戮を繰り広げる様を眺める分にはまずまず楽しめるB級ホラーでした。

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プロフィール

HN:
岩石入道
性別:
男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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