ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ベター・ウォッチ・アウト:クリスマスの侵略者 感想




家の中に悪意を持った侵入者がやってきて、平和な家庭が蹂躙される。
というようなジャンルの映画をホームインベージョン系と呼ぶ?らしいですね。
銃火器の入手が容易な国ではリアルでもありそうな犯罪ですが…。

映画においては、多分どうやっても侵入者側が家の住人たちをいたぶるシーンが
メインになってしまうだろうし、胸糞悪いストレスフルな内容になりがちかと思われます。
私はあまりそういうのは観ていないんですが。

子守をしながら留守番をするなんて簡単なこと、少女はそう思っていた。
だが、家に何者かが侵入したことで状況は一変し、
クリスマスの夜は常軌を逸した悪夢と化す。 
(NETFLIXより)




本作はおそらくこの手の映画の中でも相当なものと思われ、
公式紹介文の「常軌を逸した悪夢」というのが誇大広告でも何でもありません。
ゴア描写こそ直接見せないタイプですが、
おいおいそこまでやるの? やっちゃうの?
と精神的にはかなりのストレス負荷をかけられる映画でした。


これはオチがどうとかではなく、核心部分をネタバレしちゃいけない類の映画だと思うので、
極力そこはネタバレはしないように書きますが、
なるべく前情報は無い方が確実に楽しめる…いや、胸糞悪くなれるので
もし興味がわいた人がいたら本編の方を先にご覧ください。




主人公はクリスマスの夜に子守のバイトにやってきた女子高校生アシュリーと
子守される側の小学生男子ルークです。

 


二人でピザを食べながらのんびりホラー映画を観ていたら、
覆面を被り、銃で武装したサイコ野郎が襲撃してくる、という話。
大して目新しい内容でもありませんね。


…ただ、本作の場合、そのサイコ野郎のサイコっぷりがかなり突き抜けてます。
ホラー映画史に前例がない…というわけではないんですが、
これほどまでにイカれ切ったサイコ殺人鬼は久々に観ました。
よく今まで周囲に怪しまれることなく生きてきたもんだな?
なんで今日に限ってそこまで大爆発したの?
と問いかけたくなるほどの暴虐の限りを尽くしてくれます。
(後者の説明は一応ありますが)



襲撃者は1人ではなく、仲間もいるのですが
本当にイカれているのは主犯の1人だけで、仲間は「普通のワル」程度の奴。
ただその仲間もあまり乗り気ではなく主犯に強引に付き従わせられてる
という感じなんですが、主犯のあまりのサイコ野郎ぶりに
ついていけなくなりドン引きにつぐドン引き。
観客も登場人物もみんな主犯のサイコ野郎の狂いっぷりにドン引きです。
演じている役者さんの精神にも悪い影響が出やしないか?
と余計な心配をしてしまいしました。



と言っても主役は当然ながらなかなか死にはしません。
代わりにいけにえとなるのが、ダメ男とつきあってしまいがちな
アシュリーとよりを戻そうとしてわざわざやってくる
現カレ(ふられかけてる)とか、元カレとかです。
彼らはいかにも頼りなさそうな男たちなんですが、実際何とかなりそうな場面で白旗をあげたり全力で逃亡すべきところで余計な話を始めてしまったりと本当にイライラ。サイコ野郎もある意味スキだらけだというのに。
ただ殺され方は本当に凄惨で、その部分は見えませんからグロくはありませんが、夥しい流血表現でこちらの悪い想像力を膨らませてくる手法。

「助かりそうで助からない」
この手の映画は本当にそういう見せ方で観客をもどかしい気持ちにさせてくれます。
ストレスをためさせられた分、最後に華麗な逆転劇でスカッとさせてくれないと
本当に気分が悪いだけの映画体験になってしまうところです。


で、まあ一応最後にサイコ野郎はわずかな油断から「詰み」の状況となり、
ある人に中指をおっ立てられるシーンは確かに胸がすくオチのはずなんですが…。
その後どうなったものか不安にさせられる締め方。
個人的にはあまり好きじゃないラストです。
これほどのサイコ野郎は首を落とすか爆発四散するくらいじゃないと…。


ということで、観ていて気分が悪くなることは確実のスリラーでした。
そういうのに抵抗のない人は観ても損は無いクオリティかと思います。











…あと、1点だけどうしても気になる点があったんですが、
本作は舞台がアメリカのどこかは分かりませんがクリスマスの日の出来事ということで、
雪だるまが作れる程度には雪が積もる地域のようです。
そこでアシダカグモみたいな大きなクモがたびたび家の中に出てきて効果的に使われるのですが、そんな寒い季節にそんなデカいクモが何匹も徘徊してるのはさすがにおかしいのではないか…。
まあ越冬中の奴が目を覚ましただけと思えばいいのかもしれませんが、殺すのが嫌だからって外に逃がしてたシーンの解釈が難しい。優しいんだか何だか…。あのサイコ野郎はクモみたいな奴だ、という表現ってことでいいんでしょうか。


コメント

1. 無題

この記事で最後に書かれているシーンの解釈ですが、自分のためならハムスターでも躊躇なく殺す反面、家に出たクモは逃がしてやる優しさを持ち合わせているのがサイコパスさを際立たせているのかと思いました。

Re:無題


コメントありがとうございます。
クモそのものに意味があるというよりかはそういう効果を狙った演出でしょうかね。
ただ、寒い外に逃がしてもすぐに死んでしまいそうなので、あれを優しさの表現と受け取っていいものかどうかで悩みました。

プロフィール

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岩石入道
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男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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