ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

ウェズリー・スナイプス シールド・フォース 監獄要塞 感想(ネタバレあり)




姿なき敵は、俺が倒す

《テンプル》と呼ばれる、人間の思考パターンを解析するハイテク人工知能。
そのシステムによる最新鋭尋問装置を設置した極秘施設、《サイト9》との通信が途絶えた。
アイザックを隊長とする特殊部隊チームが調査に向かうが、発見したのは全員殺された兵士たちの死体だった。
さらにシステムが制御不能となり、部隊はロックアウトされた要塞内に閉じ込められてしまう。
テンプルの設計者のガブリエルは原因を探るが、その間にも正体不明の敵の襲撃は続き、隊員たちは次々と殺されてゆく。
そしてガブリエルは“進化”したテンプルが意志を持ち、暴走していることを突き止めるが…。
果たして彼らはこの監獄と化した要塞から脱出できるのか?
(アルバトロスHPより)




長い邦題ですねえ。たまたま予告編を見たら、
スナイプス番長がステルス宇宙忍者的な見えないモンスターと脳筋バトルをするアクション映画っぽかったのでレンタルしてきましたが全然違いました。
本作はネタバレしないと語りづらいのでネタバレ全開で書きますが、
ネタバレを見てしまうと面白さが9割ぐらいダウンしてしまうタイプの映画なのでご注意ください。












プレデター的なバトルアクション映画かと思ったらまさかのSFサスペンスホラー。
さらにこの内容ではウェズリー・スナイプス番長主演作とは言い難く、
2番目にクレジットされているアン・ヘッシュも大した役ではなく、
本当の主人公はテンプル開発者のガブリエル(デイブ・アナブル)という人でした。


さて、本作は最新鋭尋問装置「テンプル」なるものが設置された施設で兵士たちが皆殺しにされた事件の謎で引っ張っていくSFサスペンスホラーなわけですが。
この世界ではどこまでが実現可能なテクノロジーなのか?
SFとしての度合いがよく分からないまま話が進行していきます。
テンプルは人間の思考を読み取るだけでなく、映像化まで出来てしまうのでそれなりに現実離れしているのは確か。ですが、低予算ゆえにそれほど先進的な設備の施設には見えず、テンプルの設備機能とAIだけで殺戮が可能なのかどうかが分からない。


施設内の人間に幻覚を見せて同士討ちや自殺をさせたとか、もしくは内部に犯人がいるパターンなのか。いずれにせよ「クリーチャーVS番長」を勝手に期待していた身としてはそういう肩透かしは勘弁してもらいたいなあというところですが、私が想像していた以上に真相、敵の正体を引っ張りまくってくれました。
不覚にもこれアクション映画じゃないな?と気づいたのは1時間を過ぎてからです。自分の鈍さがイヤになりましたね。スナイプス番長、全くアクションしないっつーか肉体労働も頭脳労働も全然何もしません。死体を発見しても、死因の考察とかろくにしません。やれよ…。



アフガニスタンの将軍が隠れていたり、何やら壁に妙な記号文字を発見したり、仲間が無人の車に頭を潰されたりというイベントが起こったりする中、メンバーがだんだん幻覚を見るようになってきます。やっぱテンプルが脳に干渉して幻覚を見せて殺人してるパターン?
それとも「シャイニング」的な心霊現象?
それともやっぱりエイリアン的クリーチャーが!?

…と思ったらまさかのスナイプス番長&部下たちがアフガンで民間人を殺戮し隠ぺいしていたという過去が露見。テンプルは彼らを罪人だと判定し勝手に刑を下していたのでした…という真相。
これには素直に驚きました。
全くの想定外。
まあ、刑を下せる機能があるとかこっちゃ知らんし当然ですが。

ミステリじゃないしアンフェアでも別にいいんですが、

「姿なき敵は、俺が倒す」

って何だよ!
お前が真の悪者なのかよ!?
ってのが一番の驚きです。
リアルでも悪者っぽいんだからせめて映画では正義のヒーローを演じなさいよ…


ともあれここでようやくアクション番長の本領発揮!…というところですが、エンジニアのガブリエル相手に青息吐息で互角の勝負。
しかも口封じのために友人を殺そうとしているわけなので番長的には実にかっこ悪いアクションシーンです。あと超短いです。年のせいか?むしろアン・ヘッシュの方が真面目にアクションしているではないか…しかもガブリエルの味方についてるいい人だし…。


それだけだったらまあまあのSFサスペンス映画だったかな、で終わるんですが、
終盤になっていきなりオカルティックなスプラッターシーンをねじ込んできます。
壁から手が出てきて人間を引きちぎったり、銃を奪って弾倉から直接銃撃したり、霊魂を召喚したりとやりたい放題。SFっつーか心霊現象以外の何物でもありません。そういや前にいた兵士たちは黒い影にやられていましたが…。
どこからどこまでが設計通りの動作なのか?仕掛けだとしたらなんでただの廊下にそんな悪趣味なギミックを仕込んでいたのか? テンプル開発者が主人公だったのだから軽く伏線を張っておくべきだったでしょう。そういや息子を亡くしたトラウマには何の意味があったのかな…


まあB級だし番長だからテキトウでええんや!的な投げやり感は否めませんが
細かいところに目をつぶればなかなか楽しめました。おおらかな人にはオススメできます。






関連記事:「ウェズリー・スナイプス コンタクト(ネタバレあり)

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B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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