ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

エイリアン:スカイコマンド 感想(ネタバレあり)




ヤツら(地球外生命体)は遂に、地球(ここ)にやって来た
宇宙から飛来した未知の生物に、蹂躙され壊滅の危機に瀕した地球。
人類に残された最後の希望は、アメリカ空軍”ニューロ・ジェット”部隊。
地球外生命体vs最新鋭戦闘機、世界の未来を賭けたスカイバトルがはじまる。
                   (アルバトロスHPより)



「ヤツら(地球外生命体)」とか「地球(ここ)」とか
なんのこだわりかよく分からない表記もありますが、
珍しく紹介文と内容がおおむね合致しております。

原題は「ALIEN convergence」なので向こうでもやっぱ
「エイリアン:コヴェナント」のパチモン扱いかと思うんですが、
ジャケットの雰囲気は大分違うし、サブタイもスカイコマンドなるものに変更。
内容もエイリアンのデザインも全然違うので国内版はあえてパチモン風にしなかったのかなあ…。
でも「2018」みたいなものでも無理やりパチモンにしてしまうこともあるし、
基準がよく分かりませんね。

ちなみに「convergence」は収束、収斂という意味ですが本作のエイリアンはその通り合体します。副題にする割りに大した意味のある設定とも思えませんでしたが。



本作では「ニューロ・ジェット」部隊という人たちがエイリアンと戦うのですが、
その設定がちょっと独特です。
墜落がトラウマになって飛行機に乗れなくなったエマという元空軍兵士が、
意志の力で念じるだけで飛行機を操縦可能なシステムを開発し、実用化に向けて訓練しているという設定。
チームのメンバーは手や足が不自由になって退役した元軍人たちです。
体が不自由でもまた戦えるようになりたい、という理由もあるわけですね。
「意思の力」ということで仲間に「イシロウ」という名の日系人がいますがこれは偶然なのか狙ったダジャレなのか…やたら名前を呼ばれる回数が多いのでわざとかもしれません。


はじめ彼らはドローンを使って訓練をしていました。
パイロットは地上で念じているだけでドローンを操縦できるというわけですね。
別にリモコンで操縦すればいいんじゃないの?という気もしますが、
手が不自由でも操縦可能なのがウリなんでしょうか。
それでも手が使える人はリモコンでやればと思いますが…。


本作のエイリアンは、火星が寒いからという理由でやってきて、弱点が冷凍(液体窒素)ミサイルという実に安直極まりない奴らですが外見も相当酷い。

エイリアンというよりRPGのモンスターみたい。

コイツの巣である洞窟を発見した時、危険なのに「せっかくだから」と言って軽いノリで入ってみるシーンがありましたがあれはもしかして「デスクリムゾン」リスペクトなんですかね。
イシロウの件といいどうもスタッフにアホな日本人が紛れ込んでいる気がしてなりません。

ちなみにこのエイリアンが緑色のビームを吐いたのを見て「放射能を吐いてる」とか言われてましたが放射能って見て分かるんでしょうか?



本作は87分の映画ですが、何だかんだ言ってニューロ・ジェット部隊との戦いになるのは1時間を軽く過ぎてからです。それまでは、エマと父親の対立、そして和解に至るまでを実に丁寧に描写してくれます。ドラマ的には別におかしくないし、悪い出来でもありませんが、実に退屈です。
エイリアンでパニックに陥る群衆はほんの数秒、数人だけしか映りません。
何もないよりは遥かにマシですけどね。出てくるアメリカ軍人も基本1人だけ。
チョイ役の人間も削らざるを得ないくらいの製作費なのはわかりますが、もう少し出してくれないと画面が寂しい…


そしていざニューロ・ジェット部隊が出撃しますが、
ジャケットにデカデカと出てるF-22ラプターではなく、F/A-18ホーネットでした。
考えてみればエイリアン相手にステルス機で出撃する意味は全くありませんが…。
ならジャケ絵もホーネットにしとけばいいじゃん?
古い機種だけど個人的にはそっちの方がカッコイイと思うし
変なところで見栄張らなくてもいいじゃん?…と思いました。


しかしここにきて大きなツッコミどころが。
まずはエマの父親が出撃するのですが、どうも地上から意志の力で操作するのではなく、しっかり実機のコックピットに乗り込んでいる様子…
案の定やられかけてエマが取り乱します。遠隔操作じゃねえのかよ!
ニューロシステムのメリットって何?
手が不自由な人が操縦できるってだけ?
操縦桿を前に!ってコックピットで念じてるけどオヤジ手は使えるじゃん?手で押せば…?

まあ、このエイリアンは幻覚を見せるという技を持ってて、ニューロシステムのヘルメットをかぶっていればそれを防止できるという話ではあるんですが…。
でもなんで遠隔操作しないの…?
というか普通に遠隔操縦の無人機じゃダメなん…?
幻覚防止のためだけにこんな回りくどい方法持ち出すくらいならエイリアンからそんな特技なくして普通に空戦するだけの映画でも良かったのに。


そして最終決戦ではエマも出撃。アンタ墜落のトラウマで飛べなくなったんじゃないの?
だから最初はオヤジが出撃したんじゃないの?
そのためのニューロシステムじゃなかったの…?
ていうかそもそもアンタ体はどこも不自由じゃないじゃん?
コックピットでわざわざニューロシステムを介する必要あるの?

と、大量の「?」マークが私の頭の中を飛び交ってる中、
彼らはなんとなく三身合体したエイリアンを速攻撃破してバトルはすぐに終了。
なんでこんな見せ場少ないの? 1時間以上もたるい展開をガマンして観てたのにさ。
そしてなぜかイシロウだけが無駄死にしてしまいちょっと湿っぽい雰囲気でエンディング。
名前だけでなく色々と自己主張の強いキャラクターでした。


総評すると、設定は無駄に色々とひねっていますがエイリアンはコヴェナントに便乗したわりに
RPGのドラゴンだし、尺の大半は娘と父親の地味な人間ドラマだしと
内容的には普通につまらないので、地雷好きな方以外は特に観る必要はございません。

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プロフィール

HN:
岩石入道
性別:
男性
自己紹介:
B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
krgm200@gmail.com

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