ある好事家の記録 主に変な映画の感想

変わった映画を見つけたらそれを語りたいブログ。  主にモンスターパニック映画、特にサメ映画の感想が多め

THE QUAKE/ザ・クエイク 感想



製作:2018年ノルウェー
発売:インターフィルム

数年前、津波災害から大勢を救った地質学者クリスチャンは、それでも救えなかった人々への自責の念に苦しみ、家族とも別れて1人欝々と暮らしていた。ある日、友人の学者がトンネル崩落事故で亡くなり、彼の自宅に残された研究データを目にしたクリスチャンは首都オスロに大地震が迫っていることを知る。











あの忌まわしい胆振東部地震から約一年が経ちました。あれ以来、地震をテーマにした映画もなるべく見逃さないようにはしているのですが、だいたいろくなのがありませんでした。が、地味に地震大国であるらしいノルウェー産の本作は実に素晴らしい出来栄え。

本作は「ザ・ウェイブ」という津波災害映画の続編で、私はそっちを見ていないので前半で描かれる人間ドラマにはついていきにくい面もあったのですが、いざ大地震が起こってからの映像の迫力とサバイバル劇の緊張感は最高でした。いつもプライムウェーブが持ってくる災害映画とは比べ物にならないのは当然として、個人的には「2012」よりも上の災害描写だと感じました。これは劇場で観たかった。






こういうディザスター映画はアメリカ製だとだいたいパターンが決まっていて、普通は序盤で大災害が発生するものです。で、そのせいで2つに分断されてしまった家族がめちゃくちゃになった街をさまよいながら助かる道を探すという感じ。


しかし、本作はなかなか地震が起きません。前作で起こった出来事を未だに引きずり、家族との関係が壊れかけていることに苦悩する地質学者クリスチャンについての描写がやたら丁寧です。それと並行して、オスロに大地震の兆候があるという事実を掴み、周囲に警告をしていくのですがほとんど誰も聞く耳を持ってくれません。まあ、どこの国でもそんなもんだろうとは思いますが。南海トラフだってあれだけ来る来ると言われてるけど誰も逃げ出さないですしね。ちなみに私が現在住んでいる旭川市はこれまで大した地震の被害に遭ったことも無く、胆振東部地震の際にも大して揺れなかったくらい地震の少ない土地なので、首都機能をこちらに移転してみるのもアリなんじゃないかと思っています。問題は冬季の超低温地獄ですが、人口さえ増えればヒートアイランド現象で何とかなるでしょう。何とかしてください。



…で、本作は後半になってようやく地震が現実のものとなるわけですが、意外にもパッケージのように崩れた市街地をさまようようなシーンは全くありません。
クリスチャンとその家族は地震発生時に超高層ビルの中におり、半壊して崩れ落ちつつある中からいかに脱出するかということに焦点が当てられます。タワーリングダウンとかインフェルノ系のシチュエーション。ディザスター映画の構成としては地震は単なるきっかけにすぎない印象です。厄介なのは地震そのものではなく、地震によってもたらされた爪痕の方。地震の後のブラックアウトに苦しまされた身としては形は違えど納得のいくクライマックス。


とはいえ、「これはもう絶対助からんだろ」とまで絶望感を抱かせる超高層ビル倒壊でのサバイバル劇はさすがに現実感が薄く、普通にエンタメとして楽しめます。終盤ちょっとダイジェスト気味になったのが惜しいところですが、地震映画としてはトップクラスに良い出来なのでおすすめです。







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B級~Z級映画が主食。ホラー、モンスターパニック系が特に好き。目についたサメ映画全てチェックしたい
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